Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

冠を正しうして

ご覧の通り、自民党は都議選において大敗しました。
麻生さんは、決死の解散に打って出ましたが、これは儚い抵抗で、たぶん再び大敗し、自民党は下野することになるだろうと思います。

もっとも、政権の座についた民主党が、そのまま安泰とも思われませんが。。。

ですが、この際なので、私は自民党に「良い負け方」をして欲しい、と思っております。

ハッキリ言いますが、ここに至っては、何をやっても負けです。自民党を叩けば浮動票が民主に流れ込んでくるのですから、誰がやっても、どうしようもありませんよ。
ですから、この際、メディアにこびを売ろうとか、あるいは大衆に迎合しようとか、そういうことを考えるのはやめにしたらどうだろうかと思うのですな。
どうせ、東国原騒ぎと同じで、また反発を買うことにしかならんのですからね。

では、どうすればよろしいか?
答えは簡単で「どうぞ、叩いてください」「なんなら、もう一歩進んで、こちらから叩かれに行こう」そういう気迫が必要だと思うのです。
なにしろ、どうせ負けるわけですからね(苦笑)

では、何で叩かれるのがよろしいか?
それは明快で「孫子の代のカネを使いまくる政治は間違っている、ジジババもいい加減にガマンして欲しい、消費税増税も辞さず」と表明することだろうと思いますね。

13年度版の経済白書にでておりますが、政府と納税者の取引において、60代は+5700万円なのに対して、80年代生まれ以降世代は-4200万円。その差は9900万円に及びます。
年寄りは得をして、これから生まれるような人は、同じ日本人でも大損します。

そういうと「インフレのせい」だと思う方が多いでしょうが、この数値は、インフレを除外して計算したものです。70年代から社会保障は拡充されてきたのですが、その世代は、負担は小さく受益が多いのに対して、若い世代は膨大な国債の償還が残り、かつ、自分たちの老後も支えあわないといけない。もう高度経済成長はないわけですから、こんなことが起こるのです。
これは、同じ国民であるのに、生まれ年が違うだけで、ひどい差別を受けているということになりませんか?

で、あまりにひどいので、例の「後期高齢者医療制度」で、お年寄り自身も1割だけ負担してください、と言ったらボロボロに叩かれた。相互扶助を理解してないのか、というわけです。
けれども、この世代間の格差は、相互扶助の範囲を超えて、もはや搾取という言葉がふさわしいのではないでしょうか。

投票年齢の平均は55歳で、早い話が、未来の日本人の子孫のためにガマンして欲しい、と言ったら、ジジババの猛反発をくらって負けるでしょう。あの「後期高齢者医療制度」の二の舞です。
しかし、しかし、ですよ。自民党はどうせ負けでしょ(笑)
それなら、本当のことを言うべきです。
このまま子孫のキャッシュカードを切りまくって生活することはできない、少なくとも「同世代で助け合う」ことをしていかないと、あなたがたの子供達は、将来の負担額合計が1億を超えて、負担率50%、働いても働いても半分以上お上が取り上げるという江戸時代さながらのひどい世の中になる、ということです。
国公債発行残高は800兆円に近づいており、うち資産を差し引いた純負債額でも430兆円。そのまま済ませるわけがありません。
インフレにして解消という案もありますが、はてさて、実体経済の成長がないのに、インフレ政策でいきますと、副作用は強烈にくるのではないか。
また、インフレ率に連動する社会保障その他の負担は減らないわけで、しかしそのほうが大きい割合をもっていますから、試算によると17兆円程度しか圧縮効果がないという結果もあります。

かつて、孔子様の高弟である子路は、衛の国のクーデターによって全身をハリネズミのように刺されて死にましたが、その死の寸前に「見よ、士は冠を正しうして死ぬものぞ」と言い、その通り冠をかぶり直してから絶命しました。

自民党自体が、今までそういう政策であり、今でもバラマキ体質があることは否定できません。しかしながら、さすがに、もう考え直すべきだろうと思いますね。
どうせ負けるならば、真実を言って、ぼろくそに叩かれて負ける。そうしたほうが、きっと国のためになるような気がするんですよ。
まあ、そうはいかない、言えないのが現実なんだろうとは思うのですが。