Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

大向こう受け

まさに未曾有の悲劇となった大震災と津波の被害、それに続いて原発の事故です。
被害に遭われた方々には、言葉すら見つかりません。

あちこちで、義援金を募集する人たちが東京にも出没していますが、かなり怪しい者も混じっているように思います。
色眼鏡で言うのですが、NPOなどは、そもそも納税義務がないので、帳簿も怪しい。お金の行方が気になるのです。
いろいろ考えた挙げ句、わずかですが、コンビニで寄付を。
つまり、まさかコンビニがそう「事務局手数料」をとると思えず、一番「真水」で届くのではないか、と考えたからです。よく考えてみれば、今のコンビニは銀行窓口もあるくらいで、結構信用しているわけですね。

さて、連日、状況が厳しい中で、自衛隊、警察、消防、それに東電の方々、その下請けの方々。みな命がけで働いておられます。ホントに感謝です。

ただ、私は、ひとつ気になっていることがあります。
菅首相の「10万人出動」命令で、予備自衛官まで駆り出された自衛隊のことです。

もちろん、政権有力者のかたが「暴力装置」よばわりしておいて、困ると「命がけだから、君ら行け」という、はなはだ人倫に悖る対応のことではありません。
もちろん、これはこれで問題有ります。そもそも、人権と生命を何よりも重んずるという左派が、何故、同じ人間であっても相手が「自衛隊」だと、かほどに過酷な仕打ちができるのか?つまり、本当に大事にしているのは「人権」でも「生命」でもなく、自分たちの主義主張に合致しているか否かであって、そうでない相手には同じ家族を持つ人間であるという前提がすっとばされるような程度の「自分のアタマの中だけの理想」しかない、その程度の未熟な考えで政権与党の重鎮だということです。これは政治の貧しさそのもので、財政ではなくて、政治家の資質が貧しいのです。

閑話休題

自衛官は、予備自衛官を除いて、通常16万人です。
で、最高指揮官たる首相が「5万人じゃない、10万人行け」と命令されたら、10万人行かなきゃなりません。
で、その10万人の兵站はどうなっているのでしょう?
10万人が食べる糧食、宿泊地、もちろんトイレまで。
私には、最大16万人の自衛隊に、平常時10万人分の兵站があるとは思えないのです。

聞けば、やはり予想通り、現場で活動する自衛官は、被災者の炊き出しは支援しても、自分たちが食べるのは冷たい携行食だけで、宿泊施設も被災者でいっぱいですし、彼らは野営ということになります。
その状況で、既に半月を経過しようとしているのです。
5万じゃない、10万だと叫んだ最高指揮官のアタマの中に、兵站のことはあったんでしょうか?
大向こう受けする「数」だけ増やして、だけど、彼ら自身が実際にどういう状況で動かねばならないか、それを考えていたのかなあ、と。
それを考える人が「最高指揮官」じゃなかったら、いったい誰なんだろう?と。

もちろん、今は非常時です。
とにかく10万人送れ、そういう判断もあり得ます。
だけど、原発の問題もあり、支援活動は長期化していきます。人間は、一時の「頑張り」だけでは、長期を耐え抜けません。火事場の馬鹿力は一瞬だから可能なので、常時、馬鹿力を出し続けられる人はいません。

現場が疲労困憊して動けなくなる前に、体制を考え直すべきなんだと思うのです。