Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

焼け太り

福島第一の汚染水漏えいは、まだまだ続いている。

実は、私の知人が、このタンクを製造した某会社にアプローチするところから「原子力村」の実態に触れることになってしまった。

タンクの継ぎ目が緩んだ原因はいまだに分からないのであるが、とりあえず、溶接タンクにしてしまえば問題は解消する。ただし、コストがかかる。
知人が提案した方法は、もっとコストが安く簡単なもので、軍事目的でも使われる防漏タンク用のコーティング(高分子系素材の吹付)をタンクに施すものであった。高分子素材に金属粉を混入することで、放射線量を下げることもできる。言うまでもないが、核装備している某国の軍事技術である。

ところが、タンク製造メーカーはおろか、その発注を行った会社、さらに原子力規制委員会の窓口まで問い合わせても、誰にも何も提案すらできない「鉄のカーテン」なのである。
この知人に、ある役所の人間はこういった。
「あのねえ、そもそも、我々がオーケーを出さなけりゃ、仮に総理がどうこう言っても現場は動きませんよ」

防衛省OBは、この発言をこう評した。
「そらあ、焼け太りだからね。業者にしてみれば、汚染水が漏れる限り、緊急事態だとして税源の投入が続く。その業者が、問題の解決を望むわけがない。財源がなくなってしまうから」
呆れていると、こともなげにOBはこういったものである。
「それが、原子力ムラなんですよ。外部の人間は入れない。私ら防衛だって、入れない。経産の管轄だからね。そうやって、今まで、問題を大きくして、場合によっては反対運動をわざわざ作って、そうして予算を拡大してきたんだ。そうでなきゃ対策費は出んのだ」

話は話題の「新エネルギー」に及んだ。
FIT(固定価格買取制度)がスタートしたが、実際には太陽光発電にひどく傾斜している。
太陽光は、電源の品質としては高くないが、買い入れ価格はもっとも高い。
発電コストを勘案して決められたというが、品質の低い電源を高価に設定すべきではなかった、と私が言ったら、くだんの防衛OBはこう答えた。
「新エネルギーをごらんなさい。太陽光は経産、地熱は国立公園で環境、風力が建設、バイオマスが農水、小水力が国交。すべての新エネルギーに、それぞれの省益がかんでるだろう」
「新エネルギーの旗振りが経産。つまり、経産のおかげの仕事だから、太陽光がもっとも高いわけだ。それが役人の論理だ」
私は、驚いて尋ねた。
「だって、そりゃ原発が事故を起こしたからで、経産は責任を問われてもいいくらいじゃないですか」
防衛OBは、ため息をつきながら答えた。
「それが焼け太りってことだ。役所の中では、仕事をつくった人間が一番えらい。そうでない奴は、残れないようになっているのさ」

なんで、こんな壮大な国ぐるみの無駄遣いが、監査で指摘されないのだろうか?
会計監査院は?「あいつらも役人だもん」

ああ、そうか。。。そうだな。。。

ダメだ、こりゃ。