Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

再エネ、なんでも外国に学べというわけではないが

日本人というのは、根がマジメなもんだから、外国が~というと「ああ、それに比べて我が国は」とすぐに反省しちゃう民族である。
しかし、日本も素晴らしい国なんであるから、外国コンプレックスも、いい加減にするべきだ、、、などと思うのだ。
それでも、たまには、外国と比較して、考えてみたくなる。

脱原発派はすぐ「ドイツは」と言い出すのであるが、これに対して原発推進派は「ドイツはフランスから原発の電力を買っているじゃないか」と反論するのがパターンである。
とはいえ、独逸が電力の輸入国であった時期は過ぎたようで、今は、売ったり買ったりしているようだ。
それでも、日本は、隣国から電力を買ってくる条件がないわけで、単純に比較できない。

まあ、それはともかくとして。
いわゆる「再生エネルギーの固定価格買取制度」で先進国のドイツは「失敗例」とも揶揄される。
電気料金はうなぎのぼりになってしまった。
とはいえ、その「うなぎのぼり」な電力のせいで、独逸の国際競争力が衰えたとか、貿易赤字に陥ったとかはない。電気代が高くても経済は強いわけで、「電気が高いので戦えません」などとめそめそしてみせる日本の経営者とは訳が違うようである。

私は、再生エネルギーの本命は小水力発電だと思っているが、この比較はどうだろう?
日本の降水量は、世界第6位。日本は、水の国である。
ドイツの降水量は、日本の半分。
で、小水力発電所の数。
独逸は7000か所。
日本は1000か所。
雨が倍降るのに、7分の1しかない。
独逸の再生エネルギーは、ベースロードになる水力をとことんやって、その上で太陽光や風力を載せている。日本は、ベースロードをつくらないで、ただ浮き草のごとき太陽光でバブルを起こしている。
どちらが国策をかんがえているか、明らかであるように思う。

日本は大型水力を黒四ダムでやめてしまったから、空白期間が長い。
東欧やドイツの水車に比べると、日本の水車の効率は低い。10%くらい劣っているのが事実である。
今や「水車のつくれない国」が日本なのである。
工学部の学生は、みんな原子力にやってしまったからね。
今、水力の設計ができる若手技術者はいない。

なにが技術大国だい、と私は思う。

一つだけ言っておくと。
水力は、何しろ「水がタダ」なので、「いつかは必ずモトがとれる」わけである。
固定価格なんぞなくても、小水力は細々進められていて、その時の単価は10円以下である。
原発と戦える価格でやってきたのである。

足もともみないで、大きなことを論じても、なかなかどうなるものでもあるまい、と私は思うのである。