Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

押しかけコンサルタント

大塚家具、父と娘の確執が連日、テレビを賑わせております。
どうやら創業者の父の家庭事情もフクザツなようで、そのあたりが興味をそそるのかもしれませんね。
しかし、そもそも役員会で決めるべき経営戦略を、そのまま場外乱闘に持ち出した無茶は、先日の女子プロ喧嘩マッチを彷彿とさせます(苦笑)。他人様の見ている前で、お見せするものではありませんな。

それはそれとして。
創業者たる父と、改革者たる娘の主張の、どちらが正しいのか?これは、純粋に経営戦略の問題です。
で、それを私がいつもの野次馬根性を発揮して、勝手にコンサルタントしてあげよう、と思いつきました(苦笑)。

娘が社長として指揮をとったのが2009年から2014年なかばまで。株価チャートの業績で簡単に見えるのは2011年12月決算からですが、それで充分でしょう。何しろ、このクラスの会社で経営方針を展開し、その成果が見えるまでは2期以上(3期くらい)の時間は必要です。
そうすると、
         売上  営利 経常  最終  1株  配当
2011.12 54,366 1,150 1,304 203 10.5 40 12/02/17
2012.12 54,520 1,183 1,317 640 34.2 40 13/02/15
2013.12 56,230 843 1,004 856 46.2 40 14/02/14
2014.12 55,501 -402 -242 473 25.5 40 15/02/13
予 2015.12 55,430 110 230 90 4.6 80 15/02/25
となっています。

2014の落ち込みは、明らかに経営方針の変更による期間ロスで、これは特殊要因でしょう。
問題は、娘社長の更迭の原因になった2013の業績です。
売上は上がっていますが、経常は落ちています。
薄利多売に楫をきったが、その売上の伸びが足りずに、減収要因になったということですね。
2013の売り上げ自体は、この数年でもっとも良いのです。

娘社長がライバルに挙げているニトリと比べると、売上総利益率が、ニトリは50%弱ですが、大塚家具は50%超です。それだけ大塚家具の売値が高いともいえるし、逆に言えば、その価格で売れる付加価値の高い商材を扱っているともいえます。
さらに、店舗網がニトリは200店近いのに、大塚家具はその1/10です。
しかし、人件費率、広告宣伝費とも、大塚家具の方が高い。よって、営業利益率に大差がでて、ニトリは常に二ケタで、大塚家具はその半分以下になります。

では、娘社長がいうように、大塚家具は「改革」すべきでしょうか?
実は、私は、そう思いません。
なせなら、大塚家具には、ニトリ、イケアに対抗できる経営資源がないからです。

ニトリもイケアも、海外自社工場で生産することで、原価を抑えることに成功しています。大塚家具には、このような生産ノウハウがないので、どうしても協力業者からの仕入れになります。
同じような路線を歩んでも、絶対にニトリ、イケアの価格に勝てません。
そうすると、お店は「気軽に入れる(会員制を廃止するから)が、ちょっと良いものを売る」店になります。イメージはよさそうですが、ダメなビジネスの典型だと思います。

なぜかというと、日本は、これからどんどん経済格差が拡大するからです。アベノミクスの行く末は、中間層の没落、一部の富裕層と大多数の貧困層の2極化になります。
貧困層ニトリ、イケアで充分なのです。大塚家具が安くなっても、売れません。
そして、富裕層に売れるだけの販売員をキープするには、カジュアル路線ではダメでしょう。

もう一つ、ニトリもイケアも、家具だけでなくインテリア用品から家電まで売っています。インテリア関連に強いのです。
大塚家具は、これがありません。おそらく、インテリア業者が大塚家具の商品を売ってくれることが多い(業界用語でいうコントラクト販売)ので、彼らに敵対する行動を取れないだろうと思います。

結論からいえば。
いわゆる「少子高齢化」「2極分化」が同時に進む国内市場において、ニトリやイケアと同じ販売形態をとろうとするなら、この両社に勝たなければいけない。しかし、大塚家具に、その力はありません。
もしも、そういうビジネスをしたいのなら、まったく別会社でやったほうがいいでしょう。
大塚家具でやる必要はありません。

大塚家具本体の問題点は、縮小する(であろう)国内市場に、販売リソースをつぎ込みすぎていることです。今や、大塚家具は「富裕層ビジネス」なのです。高度成長時代のように、一般サラリーマンでもローンを組めば高級家具が買えた時代ではありません。
そうすると、お金持ちが多いのは支那です。「爆買い」の国なのです。
上海や北京に支店を置き、海外で会員を募り、日本に向けて「爆買いツアー」を送り込むようなビジネスをする必要があります。
国内市場で、いくら広告をやろうが、優秀な販売員がいようが、肝心の客が減るのですから、まったく無駄ではありませんか。

よって、結論。
大塚家具は会社分割。
娘社長の「バーゲンオーツカ」と、」父親社長の「小日本大塚高級家具中心」に分ける。
バーゲンオーツカは、ベトナムカンボジアあたりで海外生産し、直売。ニトリ、イケアが腰を抜かす馬鹿安商品を売りまくれ。
オヤジはとっとと支那に行け。共産党献金しまくり、金持ち相手にモミ手し、自宅にお迎えのリムジンを派遣し、特別専用機を仕立てて小日本大塚高級家具中心に送り込め。支那の一億金持ち全員がドビンボーになるまで、売って売って売りまくらんかい!

ま、こんなところで、どうでしょうか?(笑)