Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

焼き餃子と名画座

「焼き餃子と名画座平松洋子

雨が降る日に肩のこらないエッセイを読もうと思った。
平松洋子は初めて読む。
食エッセイでは有名な人である。

なるほどねえ、である。
等身大のスタンスなのである。食エッセイにありがちな蘊蓄がない。
イヤミにならず、旨いモノを旨いと書く。
しかし、それだけであるとも言えるなあ。

ここに出てくる店は、結構行ったことがある。
大はしの煮込みを思い出したり、泰明庵の蕎麦を思い出したりもする。
そんな自分を思い出すのには、ちょうどよい。
著者の自己主張が控えめなので、邪魔にならないのである。

評価は☆。
たしかに、肩は凝らなかった。
しかし、この本を読むよりも、実際に店に出かけた方がもっと面白そうである。
実は確かにそうなので、そんな出かける気分にさせるところが、本書の持ち味なんだろうな。

ミシュラン三つ星のなんとか、よりも、住宅街の中で頑張っている小さな店のほうに意外な掘り出し物がある。
それは、確かなことだと、私も思う。
そんな店も知っている。
だけど、紹介するのは、ためらってしまう。あまり良いことがないからなあ。

どうでもいですが。
食べログ」などのサイトで、ものすごい数のレビューを書いていて、それがみんなランチだったりすると、こりゃなんじゃ?と思ってしまう。
昼と夜と、同じメニューの店ならいいんですよ。ラーメン屋とかね。
だけど、ちゃんとしたレストランや日本料理店の場合は、ランチと夜は別モノでしょう。
ランチは、余った食材の処分とご近所サービス、若手の練習でやるものでしょう。

お店の評価、というのは意外に難しいよなあ、と思うんですよ。
こっちの調子が良ければ、どんな店でも名店、ということだってありますしねえ(苦笑)