Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

重力とは何か

「重力とか何か」大栗博司。副題は「アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る」

 

最先端の量子力学というのは、もはやSFを遥かに通り越して、すごいことになってきている。
特に、量子力学と相対論の矛盾をどう解決するか?量子力学の分野では、どうして相対論が成立しないのか?というあたりは、もはや哲学的な領域になっていて、この宇宙の「真実」というものを考えさせられる。
この手の本は、定期的に「読みたい衝動」に駆られるのである。
しかし、とにかく数学が高等すぎてまったく理解ができない。で、このような新書でシロート向けに、わかりやすく解説してくれた本を読む。

 

この世界には、4つの基本的な力がある。
「電磁気力」「強い力」「弱い力」「重力」である。
このうち、重力だけが鬼っ子なのである。残りの3つの力は統一する理論ができている。
どうして重力だけが統一できないのか?ということ。
これは主に、巨大な重力の記述をする相対論と、ミクロの世界の量子力学が矛盾しているためである。
どうしてそうなってしまうのか?
それを、ニュートンの法則から相対論、場の量子論、そして最新のホログラフィック理論までを一気に説明している。
しかし、ざっと一読しただけでは(まったく数式を使わず、素人向けに丁寧に説明してくれているにもかかわらず)理解できない。
それでも、とにかくワクワクし、胸がざわざわするのである。

 

評価は☆☆。
何度でも、寝る前に、読みなおしてスルメのように味わうべき本。
だって、真空の中から粒子がポコポコ湧いて出て(無から有が生じる)それが対消滅で消えているなど、想像を絶する世界ではないか。
そもそも「時間の矢」の謎(時間が、過去から未来へ向かってしか流れない)ことも分からない。
その謎が、最後に解けるかもしれないのだから。
数学という言語を使って、人類はここまで来たんだなあ、と。

万物理論は、私が死ぬまでに、完成するんだろうか?
どうせ完成しても、そんなに簡単に理解は出来ないんだろうけど、それでも、サワリだけでも知ってから死にたい。
頑張って長生きするしかないな、と思う次第ですなあ(苦笑)。