コロナ疲れなのか、ただの風邪説に傾倒したのか
「もうウィズコロナなんだから、下手に自粛しないで経済を回せ」
という議論があります。
政府がやっているgotoトラベルもそうでしょう。
しかし、そんなに簡単に経済は回らない、と思います。
その理由を説明します。
まず、経済を輸出と内需に分けて考えます。
すると、輸出については「相手国のコロナが収まらないと無理」と、すぐに気がつきます。特に米国ですね。これはしばらく厳しい。
で、日本の得意の支那はどうか?これも厳しいです。
米中対立は決定的で、米国は対支貿易を絞っています。日本の対支輸出のかなりの部分が生産財なので、最終目的は米国です。日本の素材や部品を使い、支那で組み立てて、米国で売る。その米国がダメなので、支那への輸出が復活するわけがありません。
では、内需はどうか?
これも、難しいと思います。
コロナで危険なのは、持病持ちと、高齢者です。
「じゃあ、高齢者は保護して、元気な人は経済を回せ」という話になります。
しかし、ですね。日本の高齢化率(65歳以上)は、世界でダントツの28.4%なのですよ。そして、その高齢者が持っている金融資産は、全資産の7割を越えるのであります。
簡単にいえば、すでに4人に一人を超えて、3人に一人近くが高齢者。で、その人達がカネを持っている。
若い人はカネがないのです。その若い人に「経済を回せ」と言っても、たぶん、タマもないのに戦争しろ、というのと同じです。
内需で考えると、旅行でも買い物でも、高齢者がカネを出してくれないと、経済は本格的に復調しません。
その高齢者は、コロナで死ぬのはコワイので、引きこもっています。
渋谷でいくら若者が騒いでも、彼らのお財布の中身を想像したら、経済を回すのには心許ないことは容易に理解できるでしょうな。
世界一の高齢化率。
この数字を前提にしないと、そう都合よく「コロナ対策しながら経済を回す」とはいかんでしょうね。
特効薬とかワクチン、このあたりを待つってことでしょうかねえ。