Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

ITバブル再び

ITバブルが崩壊してだいぶ経つが、そろそろ「次の一手」が見えてきたようだ。
人口知能、AIである。

先日、google人工知能「アルファ碁」が人間の棋士に5戦して4勝1敗と勝ち越した。このシステムは「ディープラーニング」という仕組みを持つのが特長だ。一言でいえば「自己学習機能」である。

最初にIBMがチェスで人間に勝ったときは、「盤上のすべての手を読む」総当たり戦の計算であった、より高速に「何手先まで読むか」を突き詰めたわけだ。
しかし、この方式だと、駒数が限られるチェスでは可能だが、「とった駒を使える」将棋だと、より計算は困難になる。
これを解決したのは一種ののエキスパートシステムだった。つまり、従来の人間の棋士棋譜をかたっぱしから暗記し、その盤面でより勝率の高い手を選び出すことにしたのである。
チェスのような「計算」ではなく、桁外れな「記憶」で人間と戦い、勝利したわけだった。
このパターンは「ビッグデータ」と呼ばれて、現在も活用されている。例えば、アマゾンのリコメンド機能などである。同じ商品を買った人の膨大なパターンを記憶して「こちらもいかがですか?」と進めてくる。それは、実に消費者のツボをつくのである(笑)

そして、アルファ碁は、ディープラーニングである。記憶型をさらに飛躍させ、人間が棋譜のパターンを教えてやらなくても、勝手に自分でデータを探して入力し、パターン学習をしてしまう。記憶するだけでなく、パターン自体を学び取る。
単純な「記憶型」だと、人間がいちいちデータを入力してやらねばならないが、ディープラーニングは「入力の手間」すら自動化し。自らのパターンの勝率を検証することもできる。よって、勝手に賢く成長していくのである。

今回の第2局でコンピュータが指した手は、人間の棋士には理解不能なものだった。いわゆる「良いか悪いか分からない手」を連発し、勝利した。
反対に、第4局では、誰が見ても分かる悪手を連発し、敗北していった。
自己学習したコンピュータの中には、直接的な「次の一手のためのアルゴリズム」はないから、どうしてコンピュータがそのような手を打ったか?という解析ができない。人間が書いたコードがないからである。
これでは、まるでギリシャ時代の「ダイモンの神託」であり、結論だけあって、理由はわからない。
しかし、人工知能が、いよいよ自力で飛翔しはじめたことは確かだろう。

今後だが、とりあえずは自動車の自動運転、また医療分野への応用などが考えられているらしい。
しかし、これらの頭脳労働分野は、さらに多く考えらえる。
早い話が、プログラムのコーディングである。

おそらく、今後のプログラムコードは、AIが書くことになるのではないかと思う。
人工知能が、次世代の人工知能をつくる。
つまり、人工知能は「自己複製能力」を高度に備えることになるだろうと思う。生物の生殖と進化と同じ現象が、AI上で行われるようになるだろう。
ディープラーニングは、「自分自身を超えるコード」を記述することを可能にするはずである。

さらに、多くの人間が行っている活動が、AIによって代替されるだろう。
生産、開発、簿記会計、そして営業まで。
AIがあなたの会社に電話をかけて、あなたの会社に素晴らしい利益をもたらす提案を(予算、納期の条件ぴったりの!)してくる日も近いはずである。

もっとも、そのときに、その電話を受けているのが、あなたとは限らない。そう、たぶん、あなたの後釜に座ったAIであろうなあ。。。

そのときこそ、「生産することこそ人間の喜び」としたマルクス主義の呪縛が、ようやく解けるのかもしれませんね。