Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

償いは、今

「償いは、今」アラフェア・バーク。

主人公のオリヴィアは43歳独身の女性弁護士である。
大手弁護士事務所のパートナーになるという夢は破れたが、友人のシャーロットの父であるドンの家庭的な弁護士事務所でパートナーとして働いている。
彼女は結婚を前提にしない男性が若い頃から常に絶えたことがないのだが、しかし、独身なので何も問題はないのだ。
その彼女の携帯に朝から電話がかかってくる。
相手は、若い頃に婚約までして別れた相手、ジャックの娘だった。
パパが警察に連れて行かれた、助けてほしいという電話だった。
ジャックは公園で死者3名を出した乱射事件のすぐそばにいたことが分かっており、3人のうちの一人の金持ちの息子に自分の妻を射殺され、その父親を相手に監督責任を問う裁判に負けたばかりだった。
したがって、警察はただちちにジャックを乱射事件の容疑者として逮捕したのである。
オリヴィアは警察に出向き、留置場に勾留されているジャックをとりあえず保釈することに成功する。3人の被害者のうち、一人だけを取り上げて容疑者を特定する理由がないという主張である。
ジャックは激しく動揺していた。ふつうの人間が突然逮捕されれば、動揺するのは当たり前である。
ジャックのシャツからは火薬の硝煙反応が検出されたが、手からは検出されなかった。
若い頃からジャックを知っているオリヴィアは、彼はそんなことをする人間ではないと確信している。
経緯を聞くと、ジャックは乱射事件のあったフットボール場のすぐ隣の公園に行った帰りだった。
ジャックは公園を毎日ランニングコースにしているのだが、ある日の朝、そこでドレスを着て芝生に座り、シャンパンをラッパ飲みしている美女を見かけた。その美女はジャックに気づくと、読みかけの本を掲げてみせた。その本はジャックが常々愛読している「人生最後の8日間」だった。
ジャックはこの美女が気になって仕方なくなり、知り合いのオンラインコミュニティに相談し、名乗り出てきたくだんの女性と会うことになった。
それが事件の日の朝だったのだ。しかし、天気は雨となり、ジャックは美女と会うことを諦め、引き返してきたのであった。
ジャックの無罪を信じるオリヴィアは、ジャックが会おうとした美女の行方を追い始める。
友人のシャーロットやハッカーたちの協力を得て、美女からジャックあてのメッセージの発信アドレスを調査したが、そのアドレスはフリーのアカウントで、すでに閉鎖されていた。
ジャックは罠にかけられたのか?


ストーリーは二転三転。息もつかせぬ展開で、ラストに衝撃の真相が明かされる。
オリヴィアとジャックの過去の説明が前半のかなりの部分を占めているのだが、そうしないと、この小説の面白みは伝わらない。
デビュー作ながら、有名なミステリの賞の候補に上がったようだが、さもありなん。
評価は☆。


本書のamazonでの評価を見ると、訳文がおかしいという文句で散々である。
主人公のオリヴィアが仕事相手を「キミ」と呼ぶのが変だというのであるが、私はそう思わなかった。
アメリカ人のやり手の女弁護士だもの、そのぐらいは当然じゃないかと思う。
日本人なら、ちょいとおかしいが、、、相手はメリケンだぜ?!(笑)
まあ、原文はyouなんだろうが、それを「キミ」と訳したのが気に入らんという話なのだ。わからんね、正直。
受け取り方は人それぞれだと思った次第。

私は、男性を「キミ」と呼ぶ女性が嫌いではない。
どっちかといえば好きかもしれない。ドMなのではないか?という疑問がでてくるのだが、ほっとけ。(笑)
最近はLGBTとか、わけのわからんものが流行るなあと思っているのだが、一方で女性の「キミ」が許容できない人もいる。
どうも、性がからむと、人は色々と混乱をきたすように思う。
実は、私はそんなに大問題なのが理解できないのである。
昔から「蓼食う虫も好き好き」だといいますが、性のことなんて、そんな話の典型ではないですかね?
勝手にしろ、といつも思ってしまう。はっきり、なあんの興味もない。
ま、そう言いながら、死ぬまでに官能小説を一つ、書いてみたいとは思っているのだが、、、どうなりますかねえ。。。