Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

真実はヤブの中

今回のロシアのウクライナ侵攻ですが、その原因の一つとしてあげられるのが「アメリカがロシアとの約束を破った」というのがあります。

東独が西独と統合するときに、当時の米国の国務長官ベーカーがクレムリンに行った。そのとき、ベーカーが「NATOは、1インチたりとも東方に拡大することはない」と約束した。しかし、実際には、その後にワルシャワ条約機構が解体して、加盟国が次々にNATOに加盟。プーチンはガマンにガマンを重ねたが、ついに隣国ウクライナNATO加盟のおそれが出てきて爆発したのだ、というわけです。

ベーカーの回想録に、そのシーンが出てきます。

これ、もちろん「ただの口約束」で、条約にも外交の交換公文にも何も出ていません。単なる口約束だったこと自体は、ロシアも認めているようです。

 

ところがですね。

2014年のロシアのクリミア侵攻のとき、アメリカのテレビ局が元ソ連大統領のゴルバチョフにインタビューを行っている。この「NATO不拡大の約束」はあったのか?

ゴルバチョフの回答は明快で「そんな話はまったくなかった、NATOについて話し合ったこともない」というものです。

ゴルバチョフは当事者ですからね。疑問符がつくわけです。

 

可能性としてあるのは、ゴルバチョフが忘れた(?)あるいは、今の状況を見て、なかったことにしている。

あるいは、ベーカーが回想録を面白くするために話を盛った。それをモスクワが利用している、ということですね。

どちらが真実なのか?はっきり言えば、こんなものはヤブの中なわけです。

 

日本には、一定数の「悪いのはアメリ陰謀論者」がいまして、鈴木ムネオがロシアの主張を代弁すると「やっぱりホントに悪いのはアメリカ」だと言い出すのです。もはや宗教ですな。

陰謀論というのは、実は貧困ビジネスの一種です。

不遇な人が「俺はこの世の真実に気がついている、周囲は間抜け、おれってホントはかっけー」といい気分になれる、そうして本を売ったり視聴数を稼ぐビジネスだと思います。その証拠に、実際に成功者で陰謀論を信奉する人を見たことがない。

「本当は自分は能力があるのだが、この世がグローバリズムのディープステートに操られているのでイケナイのだ(おれは正しい、世の中が間違っているのだ)」などというオナニーをする必要がないからですな(苦笑)

まあ、陰謀論者はそういう意味では快感を覚えたサルなので、目が覚めることはないので、、、現実が恵まれたら別ですが(笑)それまで放っておきます。

 

それでも、真実はヤブの中。

そして、悪いのは侵攻したやつに決まっています。んなもの、悩む必要もない。「本当に悪いのは誰か」誰かもくそもあるかいな(苦笑)

 

ま、いろんな人が日本人にもいますが、おおかたの日本人は正常だとわかったのが、この悲劇の戦争に直面して今思っていることですね。