昨日の顛末であるが。
つまり、このテナント管理業者が、EPSの解錠をしていなかったのである。
ビル内の電話回線とか光ファイバとかは、地下に埋められていて、まず地下のパイプからMDFという接続部分を抜けて(だいたい地下駐車場とか1階の奥とかにある)ビル内の共有部分を通って上のフロアに抜けていく構造になっている。
で、ビルの各フロアに到達すると、そこでフロア内MDFとか、EPSとか呼んでいるのだが、つまりはそこでジョイント接続させてフロアの各テナントに回線を届かせるわけだ。
この物件は4階に位置しているのだが、4階まで直通で抜ける配管がなかった。
そこで、いったん7階までケーブルを上げて、そこから折り返して4階に降りるという荒業になった。もちろん、各フロアに全部お邪魔して、一つ一つ頭を下げて共有部分を開けてもらい、配線を通していく。昔は、こんなことは工事事業者がやるべきことだったのだが、今どきの工事屋はそんな技のあるやつはいないので、全部こっちが交渉する。なにしろ、頭を下げるのには慣れているのだ。相手が何か言いかける前に、さっと深々と「ご迷惑をおかけしますが、よろしくおねがいいたします」という。機先を制するのである。これで、うまくいく。
で、さんざん苦労してようやく4階にケーブルを持ってきたら、最後の最後に鍵が空いてないのだ。そこから2時間半待った。もちろん、何が問題がわからない担当者がかけつけて、もちろん鍵を持参せずにやってきたので、相手にするのもバカバカしいから、とにかく工事の「もとい」の作業にかかった。サービス中断時間を無用に長引かせるのはいけない。言い訳をきくほど、こっちは暇じゃないのだな。
実は、この業界では、こういうことは「あるある」なので、まともな業者はすべて「切り戻し」の手順を想定している。当然である。私は、粛々と事前想定どおりに作業をした。
「絶対に他人を信用するな」が黄金律なのだ。悲しいけど、それがこの業界の鉄則。
さっさと切り戻して、酒をくらって寝た。まあ、あまり良い夢は見ないな。
今朝事務所に出てみたら、謝罪メールが一本。次の予定を教えろ、だと。
ま、それしかないんだけどさ。
物件のことも何も知らない担当者で務まる管理会社。
ほんとに、うらやましいなあ。