Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

こっち見るな

総務省有識者会議なる連中が、NHKのネット視聴に対して受信料を徴収すべきだとの意見をとりまとめた。

 

この有識者という連中の頭の中は相当イカれていると思う。

NHKについて思うのは「こっち見るな」である。しっしっ。

 

まず、この意見は放送法に基づいていない時点で相当におかしい。NHKは「放送」(総務書管轄)だが、ネットは「通信」(経産省管轄)である。他人のシマに土足で上がり込むんじゃねえ、と経産省の皆さんはおおいに省益のため頑張っていただきたい。

 

昨日の記事に書いたように、ジャニー喜多川氏による未成年への性加害問題は、業界人なら誰でも知っていた。最初に元フォーリーブスの北氏が告発をし、さらに週刊文春が2000年に被害者インタビューをし、ジャニー氏本人の極秘取材して特集記事を書いた。ジャニーズ事務所は激怒して、文春を名誉毀損で提訴。しかし高裁まで行って「取材記事はある程度事実」としてジャニーズ事務所は敗訴した。一連の事件が表沙汰になった瞬間であった。当然、この経緯を文春が詳しく報じたが、ほとんどの人が知らないだろう。だって、マスコミは皆、一連の文春報道をすべて無視したからだ。ちなみに、芸能人ネタであれば、テレビ局は普通は臆面もなく文春の後追い報道をして視聴率を稼ぐ。ご存知のとおりだ。

言うまでもなく相手が未成年なのでジャニー氏の犯罪なのだが(未成年相手に自己責任は成立しないから)、被害者が芸能界志望の子供であるので、ジャニー氏の影響力を考えて黙っていたわけだ。よって、ジャニー氏による被害を訴えるのは「芸能界を諦めて引退した人」だけ、という状態になってしまった。そして「もう一般人なので特にニュースバリューなし」ということですべて報道を黙殺してきたのがマスコミなのである。今まで被害者が黙っていたわけではなく、被害相談も複数件があがっているのだが、行為が密室で行われる以上、なかなか立証が困難なのは性被害の通常パターンである。

この経過を素直にみれば、ジャーナリズムとしての存在感を発揮したのは週刊文春だけである。「みなさまのNHK」受信料収入で成り立つから、忖度なしに報道できるはずだったが、黙殺の大御所であった。この黙殺は、一連のこの事件に対して、ある種の誤解をいまだに生み続けている。この「引退した一般人の訴え」が報道されなかったために「ジャニー氏本人が死んでから訴えだした」と思われているのだ。実際は「一般人になっていることを理由に報道されない」状態が続いたのである。

 

この事件ひとつを取ってみても、NHKは公共放送としての役割をまったく果たしていない。そして、この事件の報道を大きく開始したのは、英国の公共放送BBCである。同じ看板を掲げていても、あっちは本物で、こっちは「羊頭狗肉」であろう。

犬鍋屋は日本には不要である。

 

今まで、ネットの世界はNHKなしで発展してきたし、ネットの世界でNHKが必要だという話も聞いたことがない。

NHKに対して、パソコン通信の時代からのネットユーザーとして言いたいことは

「こっち見るな」

だけです。