Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

反日の構造

反日の構造」西村幸佑。

従軍慰安婦問題と教科書問題、さらに化学兵器遺棄問題(?)に共通するのは、実はこれらの「発信源」がほかならぬ「日本のマスコミ」だという点である。だいたいNHK朝日新聞、と相場が決まっているわけだけどさ(笑)
これらの奇妙な国内マスコミによる「反日」活動を詳細に追ったのが本書である。

これらの活動の源流を訪ねると、それはWGIPウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)に行き着くのは江藤淳「閉ざされた言語空間」において明らかな話なので、詳述しない。

ただ1点、深い指摘が本書にある。戦後は「1945年8月15日」から始まる、というのがまず「洗脳」の第一歩ではないか?という点である。つまり、サンフランシスコ平和条約が発効する1951年までは、国際法上は日本は「戦争状態」であって、だた降伏によって戦争状態が停止していただけなのである。戦争状態であるから、GHQによって「占領」されていたわけだ。当たり前であって、戦争がなければ、他国を占領するなど許されることではないのである。もっといえば、法的には1951年まで「大日本帝国」が存続していた。
では、なんで戦後は「1945年」から始まる、ということになったのか?答えは簡単で、GHQによる「被占領」期間を、歴史から忘れさせるためなのではないか、ということだ。
昭和20年8月15日から今日まで歴史がつながっている、という「暗示」をかけておけば、被占領期間は忘れ去られる。その間に何が起こったかも、である。

評価は☆。
労作ではあろうけど、「閉ざされた言語空間」を読んだ者にとっては、自明の話も多いので。

さて、本書には記述がない、ごく最近の「閉ざされた言語空間」の例をあげておく。
つい先日、フランス大統領選挙があって、マスコミ各社はかなりの時間をかけて報道した。「右派」のサルコジ氏に対して「左派」のロワイヤル氏という対立の構図で、もちろんマスコミの「お気に入り」は女性であり福祉でありグローバリズムに反対するロワイヤル氏であった。(彼女は負けてしまったけど)
ところが、現地では大きな争点になっていた「ある問題」について、日本のマスコミは貝が口を閉ざしたように一切を報道しなかった。それは「北京オリンピックボイコット問題」である。「左派」のロワイヤル氏は、中国がスーダンの虐殺(ダルフール事件)において石油利権のためにこれを黙認していることに抗議するために、「北京オリンピックボイコット」を「公約」に掲げていたのである。
対するサルコジ氏は「中国市場」に配慮して「オリンピック参加」だった。
「閉ざされた言語空間」は、いまだ続いている。

元TBSの丸川アナウンサーが自民党から参院選出馬となりそうである。「TBSなのに自民党」という批判はともかくとして(笑)TBSは未だ選挙期間前であるにもかかわらず、彼女の出演場面をすべて「自主規制」しているのであるが、もしもこれが「野党」からの出馬であれば、どんどん「インタビュー」などを流したのではないか?と勘ぐったりもするわけだ。もちろん、そうしたところで、選挙期間前であれば何の問題もない。
ということは、今の「自主規制」はいったい何なのだろうか、とね。

マスコミなんて、その程度のもの、なんだよなぁ。