Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

喫茶店のビール

ふと思い出したのだが。

会社を始めて間もない頃。前の職場の元社員が訪ねてきて、そこで仕事の案件をもってきてくれた。彼も助かるし、こっちにとっては干天の慈雨であった。

おかげで、あの震災後の何年を生き延びることができたのである。

 

その彼と、よく駅前の喫茶店で打ち合わせをしていたのだが、そのときに頼むのはコーヒーじゃなくて、ビールだった(汗)

そのレトロな喫茶店は、愛煙家である彼も遠慮なくタバコが吸えて、ビールを頼むと昔懐かしいキリンの小瓶がピーナツとともに出てくるのだった。

さすがに仕事中はまずいと思って、最初はこっちはコーヒーにしていたのだけど「まあまあ、小瓶の一本くらい、いいじゃないですか」という誘いに抵抗を続けるのは困難であり、一緒にビールを飲むようになってしまったのだ。

昼下がりの古い喫茶店で、午後の日差しが差し込むテーブルに、ビールの小瓶が2本並んでいた。

そこで「来月はアレとアレが来ますから、、、ざっと。これくらいの売上になりますかねえ」なんていう話をするのは、かなり楽しいことだった。

 

あれから、もう10年が過ぎたのか。

彼との仕事はなくなってしまったけど、いまだに、たまに連絡が来て、二人で一緒に飲むこともある。あの駅前の古い喫茶店も、コロナにも負けず、ずっと営業を続けている。ほかの店は変わってしまったけど、その喫茶店は変わらない。

 

今度、彼から連絡が来たら、久しぶりにあの喫茶店で待ち合わせをしてみようと思うのだ。