Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

あの日のこと

3.11。あの日のこと。今でも、ありありと思い出すことができる。

私は自宅の仕事場にいた。実は、仕事場と称するだけで、何もなくて、正確には、ほぼ失業状態だった。以前の職場をやめて(いられなくなったわけですが)自分の会社をつくって、しかし、まだ仕事はない。それで、知人経由で、あるプロジェクトに参加した。ところが、これが大コケ、、、というか、まあ詐欺同然のシロモノだったわけですが、敗戦処理をどうしようかと思い悩みはじめたときだった。そんなわけで、売上はないわ、借金だけはあるわ、家のローンはあるわ、、、の状態で、ふてくされて自宅で寝転がっていたのだ。ほぼ1年前に、ひょっこり転がり込んできた愛猫がいるだけの状態だ。

そんなときに、ぐらっときたのだった。

人生で、一番揺れたと思い、いったん収まったと思ったら、さらにすごい揺れがきた。

愛猫がいなくなり、探してみたら、リビングのソファの下で固まっていた。

あちこちで、そのうちサイレンの音がしはじめた。テレビをつけると、電車がとまり、停電がおきていると伝えていた。何か、とんでもないことが起こっているとわかった。

 

その日の夕方。知り合いの社長から、今、浅草橋にいるから飲みに来ないかと誘いの電話がかかってきた。もう今日は仕事にならん、いいだろうと。

何もこんな日に、とは思ったが、一応、取引先の見込みでもあり、ここは付き合うべきかと考えて、行くと返事。電車はみな止まっている。が、私の自転車ならば、わけはないのだった。その道すがら、えんえんと道路を歩く人の大群をみて戦慄した。

 

浅草橋について、その社長となかばやけ酒を飲み始めた。その居酒屋には、テレビがついていて、東北がすごいらしい、という報道が始まっていた。

そのうち、あのおそろしい津波の風景を映した。言葉もなかった。

すると、その相手の社長の盃がとまった。

「ここさ、、、オレの故郷なんだよな。。。」

いや、きっと大丈夫だと思う、、、しかし、連絡はとれない。

その社長は「悪いけど、今日はここまでで」

当然である。あっという間の30分だった。