Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

早まったと惜しむ

昨日、以前の職場の元部下と一杯やった。彼は、これも私の元部下で営業部長だった男がつくった会社に勤務していたのだが、このたび、そこを退職したという報告である。その元営業部長の豹変ぶりもすごいようだが、考えてみれば、もともとそういう男だった。ええと、つまり、儲かった中小企業のオヤジがすることを、全部していた、という話だ。外車を買い、沖縄にマンションを買って移住し、都内には若い愛人を囲う。ま、よくある話(苦笑)。

 

で、それはそれとして。

もっと衝撃だったのは、部署は違うが、年下のUくんの話だった。Uくんは、前職の会社に中途採用で入ってきた男で、本人は優秀さを自負しているタイプだったが、周囲の評価はそうでもなかった(苦笑)。まあ、少し自信過剰な男は、別に珍しくない。

で、こいつはうちに転職する以前から、家庭内不和だった模様で、うちの会社に入って営業事務の女の子と仲良くなり、前妻とは離婚した。

前職の会社が外資の買収にあったのを機会に辞めて、別のIT系にうつった。そこで、子供がうまれた。が、その子どもの肌の色が黒かった。行っておくが、彼はネイティブな日本人なので、肌の色は黒くない。

遺伝の法則によって事実を察した彼は、その再婚した妻とも離婚した。その勢いでIT会社を辞めて、その頃知り合った有名流通企業の創業者の三男と共同出資で会社を作った。が、うまくいかず、友人知人の間を金策で回っていたようだ(私のところには来なかった。カネがないのを察したものか)。しかし、皆が事業の先行きを危ぶんで、カネは貸さなかったらしい。数日後、彼は自死しているのを発見された。首をつったのだった。

 

妻には裏切られ、事業は頓挫。たちの悪いやつから、カネを借りていたという噂もあった。が、たちの悪いところで、どんなに恐ろしいことを並べても、数百万では人は殺さない。数千マンでも、なかなかだ。億になれば死人が出るが、おそらく、彼にその単位のカネが融通されたわけがない。バンザイして、すこしづつ返します、でケリがついた話のはずなのだ。若い女性とは違って、中年男はカネにならない。それしか、しようがないのである。

 

思うに、自死したのは、事業に行き詰まったからだけではないだろう。妻の裏切りにもあった。何一つ上手くいかない人生に、希望を失ったからだろうと思う。同じ立場なら、私だって、生きる元気をなくしたかもしれないと思う。

 

それでも、希望を失うのは、早かったと思う。耐えているうちに、なんとか道が拓けることだって、世の中にはよくあることだ。私は、私の生命は私のものでなくて、産土神様から預かったものだという信仰があるから、自死した人をとても残念に思う。

 

希望を失うのが、少し早かった。生きてれば、そのうち、なんとかなるかもしれねいから。そんなことを思うのは、やっぱり他人事だからだろうか。