Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

日本海海戦は東海海戦か

別に、来年のNHK大河ドラマ坂の上の雲」を持ち上げようと思うわけではない。
先日、会社の部下が横須賀に出張に行くというので、「海軍カレー」を買ってきてくれ、と頼んだ。
そしたら、海軍カレーに「日本海海戦100周年記念」と書いてあったので、思い出したのだ。

ポーツマス条約。「行くは5人でポーツマス」(1905年)と覚えたもんだ。

何しろ、世界史始まって以来の、有色人種が白人に勝った戦争である。
冗談ではなく、その当時、白人は有色人種のことを「神からの贈り物」だといっていた。
有り難い奴隷だというわけである。
当時のアジアで、植民地化を逃れていたのは日本とタイだけである。

ちょっと世界史のおさらい(日本史ではない)。
この戦争に負けていたら、日本はたぶん、ロシアの植民地となっていただろう。
アジアの開放は、大幅に遅れただろう。当時のアジア人に与えた衝撃が大きく、孫文だって日本の力を借りて独立を達成しようと考えるきっかけになった。伊藤博文を暗殺した安重根も、その著作「東洋平和論」のなかで、日露戦争の勝利は光であったと書いている。
当時の李氏朝鮮は、日清戦争で独立国となったものの、その後南下してくるロシアの属国になろうとしていた。強いものにすり寄る以外に、自分たちの政権を維持する方法がないという理由である。当時ロシアは三国干渉以来狙っていた遼東半島満州を勢力下におさめ、さらに朝鮮を配下においてアジアへの橋頭堡を確保しようとしていたから、目前に独立の危機が迫った日本は、日英同盟を結んで1対1で戦える状況をつくり、ついに戦争を起こしたのである。
まさに、国の興廃をかけた戦いに、なんとか勝った(ほんとになんとかだった)

戦後処理のポーツマス条約で、日本は南樺太満州鉄道の利権、旅順、大連、朝鮮の保護国化を認められた。ロシアは朝鮮から手をひかざるを得なくなった。満州は清国に帰すことになった。
(日本国内の鉄道は狭軌なのに満鉄が広軌なのは、もともとロシアが建設していたから)
アメリカ大統領のルースベルトは、ポーツマス条約締結後、米国大使館を朝鮮から撤去している。すでに独立国とは認めない、おのれの政権維持のために、清国が強ければ清国、清国が去るとロシアに従属しようとする無定見な外交で、結果、日本とロシアの大戦を招いたことを激しく怒ったためである。
この条約そのものは当時の国際法上、有効な措置だったと今でも認められている。

韓国は、この日露戦争日本海海戦)について、全く教科書で教えようとしない。そうすると、日本の韓国併合まで、国際法上適法な措置だったと言わねばならなくなる可能性が高い。(実際、国際法学者の見解はほぼその通りである)竹島問題も、全く困ったことになるのだ。
しかし、それでは、どちらが歴史の捏造なのかわからない。韓国国民は、奇妙なことに、あれだけ安重根を英雄だといいながら、彼の書いた「東洋平和論」を読んでいない。たぶん、そのままだと出版できないであろう。朝鮮の独立と日本の栄光について(もちろん、誤解だってあるが)熱情あふれる名著であると思う。

ちなみに、安重根の暗殺によって、かえって日韓併合が早まったとして、彼を批判する人も多い。それは事実であろうが、しかし、当時の朝鮮独立維持の人士が統監の伊藤を狙うのは致し方なかろう。それをもって、安重根の勘違いと責めることはできないと考える。民族自決という視点から考える限り、彼も壮士であると言わねばならん、と思う。

ところで。
最近、韓国は「日本海」を「東海」と言い換えるのに忙しいようだ。西だの東だの、自国が世界の中心かよ?というツッコミは、まあ当然だけど。
それより、世界史の「日本海海戦」を「東海海戦」とでも書き換えるつもりなのだろうか?
私は、実は、韓国の狙いは歴史の書き換え、「日本海海戦」を歴史の裏面に葬ろうということではないか、と思うのだ。「東海海戦」なら、わけがわからない。「東海」に変えてしまえば「日本海海戦」の場所も何も、よく分からなくなるだろう。韓国の歴史認識といっても、世界史ではムリがある。その代表が日露戦争で、世界史に残るこいつだけはマズイ、ということではないかと。

歴史の書き換えは、よくないことだと思うが。
誰かさんが、同じことを言ってたような気がするぞ(笑)