Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

モンスター 臨床心理医アレックス

『モンスター 臨床心理医アレックス』J・ケラーマン著。

精神に異常のある犯罪者を収容している施設(日本でいう医療刑務所みたいなもの)に入っている凶悪犯が、外界の犯罪をなせか予言する。
臨床心理医アレックスは、この謎を解こうと施設の調査に出向く。
殺されたのは、施設内で働いている心理学者。彼女の来歴を調べると、彼女には家族を殺されているという過去があることがわかった。
そこから、過去をさぐる糸がつながっていって。。。

という感じで、まあ「羊たちの沈黙」の雰囲気を出そうとした作品。
正直いって、失敗である。
捜査の過程が強引で、途中から全然関係なさそうな人物が出てきて、実は重要な役回りになったりする。
恐怖をあおろうとしているのだろうが、ただ退屈なだけである。
ストーリーの、縦横の線がうまく整理されていないから、読んでる方はまったく感情移入できない。
これで人気シリーズなの?ナニコレ?な感じである。
結構な厚みがあるだけに、読み終わったあとの徒労感は深い。

よく調べてみると、このシリーズ、いくつか既に新潮文庫で訳出されているようだ。
ははぁ。どうやら、出来がよいやつだけ、先に新潮文庫で出してしまった、ということみたいだ。
納得である。

評価は無印。
ミステリとしても、ホラーとしても、全然大したことありません。だめだ、こりゃ。