Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

「プリオン説は本当か」

プリオン説は本当か」福岡伸一

米国産牛肉の輸入が再開されたので、興味をもって読んでみた。(実は、前に1回投稿したのに消えてしまったのだ。ヤフーは、ときどき「推敲」を促す機能があるんですね~)

いわゆるBSEの原因とされているのが「異常プリオン」である。プリオンとは、早い話がタンパク質なのである。従って、ちょいと生物学をやった人間であれば、この話は納得できないはずだ。

病肉を食うと病気になる。普通に考えると、肉そのものが病気なのじゃなくて、肉にいる菌やらウィルスやらが体内にうつってしまって、そいつらが体内で増殖する。だから病気になるんである。
毒でないもの(醤油だの砂糖だの)だって、とりすぎれば毒だし(致死量がある)、毒であっても(大腸菌エイズウィルス)ごく微量であれば、体内で増えることができないから毒にならない。これは当然のことである。病気が伝染するには、その原因である菌やウィルスやリケッチアが体内で増殖することが必要である。

しかるに、ただのタンパク質が「体内で増えて病気になる」とすれば、これはメチャクチャであって、つまりタンパク質が「生物」のように(ウィルスや細菌のように)増殖することになってしまう。

ところが、プリオン説というやつは、これが「どうやらあり得る」と主張して、ノーベル賞をとってしまったのだ。

本書では、プリオン説の紹介と、これに対する筆者の問題提起という形で話が進んでいく。プリオン説に異議申し立てを行うあたりになると、下手なミステリなんかより面白い。引き込まれて、つい夢中でページをめくってしまう。筆者はBSEの原因に対して「小型ウィルス説」を最終的に主張するわけだ。
結論からいえば、もちろん両説とも実証されてはいない。

評価は☆☆である。
あとの☆一個は、筆者の「小型ウィルス説」が実証されたときにしたい(笑)

それにしても、小型ウィルス説が本当だとしたら、「特定危険部位」をとるだけでは、危ないことになるのだ。病牛はまるごと廃棄するほかない。日本も欧州もそうしているが、米国だけは他の動物飼料に転用することをやめていないのだ。おそろしい。

というわけで。私は、個人で米国産牛肉に対する「経済制裁」を実施するのである(苦笑)。もちろん、外食では国産牛またはオージービーフニュージーランドなどと明記がある以外食べない。簡単であって、牛メニューを食わないだけのことである。鯖味噌だの湯豆腐だの食ってBSEに感染することはありませんがな。

「君子、危うきに近寄らず」などとカッコをつけてみたりするのだが、単に病気がこわい命が惜しいだけなんである。。。(笑)