Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

駐車違反の民間取り締まりに思う-その2

前回書いたように、私は民間取り締まりを基本的に支持する人間である。
しかし、この制度は、どうもうまい結末を迎えられぬのではないか。かなり危惧がある。
その最大のポイントは「歩合給がない」ことである。

今の民間取り締まりは「入札制度」になっている。取り締まり区域を、それぞれ売り出して、取り締まりを行いたい業者が入札する。もっとも安値を付けた業者が落札するのである。
つまり、落札して「何もしなくても」政府から委託金がもらえる。お役人に払う給料が民間に流出しただけであり、基本的に「やろうがやるまいが一緒なら、何もしないほうがお得」なのは、官も民も変わりがなかろう。

考えてみよう。
もしあなたが、取り締まり担当だとする。あなたが真面目に取り締まり業務に精を出すと、相手は分からず屋が揃っており、文句を言う。「夜道に気をつけろ」だの「家族がいるんだろ」などと言う輩も当然いる。そして、頑張っても、別に給料があがるわけでもない。思いっきり手を抜いても同じである。それなら、ひがな一日、ノンビリと日向ぼっこでもしていたほうが、よほど気が楽であろう。
落札業者にとっても事態は同じである。
真面目に取り締まりをやろうと考えて、たくさんの人員を雇用すれば赤字になりかねない。社長さん一人で公園でのんびり過ごすぶんには、たいへん儲かって言うことなしである。

「民営化」と申すのは、自由競争がなくては意味がない。
諸外国のように歩合制であるほうが当然である。
もしも国民みんなが駐車違反をしなくなれば、彼は失業するだろう。そうしないために、彼は駐車違反は続くように、たまにはお目こぼしをするかもしれない。そうさせないためには、同一エリアで他の業者と競合しても構わないようにすれば良い。

駐車違反が減ってくれば、だんだんこの仕事は割に合わなくなってくる。そうすると、取り締まり員の数が減るだろう。ムダな経費が減る(なにしろ、もともと税金を使っているのだから)わけで、それはそれでも歓迎すべき事態というべきである。

こういう「自由原理主義リバタリアニズム)」意外にばかにできない。
早くも再び増加しはじめた駐車違反の車両の列を見ながら、考えたことである。