Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

レイヤー・ケーキ

レイヤー・ケーキ」J・J・コノリー。

若い頃からさんざん儲けまくってきたヤクの売人の主人公。そろそろ一財産たまり、カネの洗濯もできた。もうぼちぼち、まっとうな道にもどるべきときだ、、、と「引退」を決意する。
ところが、組織の大ボスから「まさか、ウマウマと引退なんて考えてないだろうな?それなら、最後に恩返しをしていけ」と脅されてしまう。
いやいや、最後に合成麻薬200万粒を売りさばくハメになる。ところが、この合成麻薬だが、仕入れ元はなんとネオナチが、武力強盗で奪ってきたものだった。というわけで、主人公達は、合成麻薬の元の剣呑な所有者達から狙われることになってしまう。。。

まあ、イギリス人らしいユーモアを狙った悪漢小説なんだろうな。
だけど、どうも感覚が違うのか、なんだかイマイチ、面白くないんだなぁ。なんだろうか?訳文のせいだろうか?読みづらくはないんだけど、全然のめり込めないのだ。
この手の馬鹿馬鹿しい小説は大好物なんだが。。。

で、思いついた。
この小説、映画化が決定しているそうである。なるほど、映像化すれば、これは結構面白いかもしれない。
つまり「小説」ではなくて、映画のシナリオみたいになってしまっているのだ。だから、文章に遊びがない。シーンを進めていくように文章が書かれてしまっている。
これが自分には合わないのだな。
私は、人を楽しませようと意図して書かれた文章が大好きである。だけど、ときどき、文章を動画から描いてしまうタイプの人がいる。このタイプが苦手なのだ。文章自体が動かなくて、文章が描くシーンが動く、、、これが苦手である。たぶん、私のアタマが、映像に対して鈍いからではないかと思う。

というわけで、評価は無☆。
これは、あくまで私の評価であるので、「とっても面白くて☆☆☆!」という人もいるかもしれん。が、私はダメである。

映画になったら、見ても良いかな、と思う。だけど、それなら最初から映画をつくれよ(作家じゃなくて脚本家になればいいじゃないか)と思うのである。