Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

決起集会は普通のこと

介護サービス大手のコムスンが批判されている。介護施設の人員を偽って、介護保険料を不正受給していたというもので、これは問題である。介護保険料は国民から強制徴収されているのであり、税金を使い込んだのに等しいからである。

しかし、だからといって、元社員が出てきて「全国の幹部を集めて、決起集会をやっていました」までがニュースになるのは理解しがたい。だって、そりゃ会社経営じゃ普通の話だろう?確かに全国8000人の管理職を集めるとなると大イベントだが、なに、そりゃ会社が大きいだけのことじゃないか。
同じようなことをやっている会社は、人材派遣、IT関連、建設、不動産、あっという間に色々思いつくよ。

その席上で会長氏が「いろいろ疑問もあるだろうが、オレについてこい。コムスンの理念を忘れるな」と訓辞したという。情けないほど普通の話ですな。どこの社長だって言いそうだ(笑)

介護施設には、いつ亡くなるかわからない人がいるから、そんなことはすべきでないのだと元社員はおっしゃるらしい。それはおかしい。
老人が死ぬのは当たり前のことである。私だって、あなただって、年をとれば亡くなるので、それは特別なことではない。
もちろん、生命維持のために種々の対応をしなくてはいけないだろうけど、それはお医者様の仕事であって、施設長が何かをするということではない。
しからば、施設長の仕事は何か?
そりゃ、施設をちゃんと「経営する」ことであろう。赤字でまともに給金も払えぬでは、サービスもできなくなり、入所者に迷惑もかけることになる。

私は、コムスンとはちょっと接点があった。当社とある事業で業務協力の話があったので、六本木ヒルズの本社には何度か顔を出した。話は立ち消えになって、今は接点がない。4年ほど前の話だ。
派手なオフィスは、それに惹かれてやってくる大量の新卒者を募集するのに役立っている。何しろ、1年もつ人間が少ないので、毎年、大量採用をしなくてはならぬのだ。単に、派手なことが好きなわけではない。会社だから、費用対効果を考えている。

介護業界を見ていて不思議に思うのは、業界関係者に「利潤を上げるのは悪だ」という考えがあることであった。企業は、そこに利潤を上げる機会があるから、その市場に参入するのである。もしも利潤を上げてはいけないのであれば、そもそも介護保険制度など、作るべきではなかった。
そこに市場がなかったから、人為的に市場を作り出そうとしたのが介護保険制度の本質である。
売上追求ばかりで「高価格」かつ「サービスの悪い」介護サービス業者がいたら、どうなるか?その会社は退場させられねばならない。しかし、利用者は「ほかに選択肢がなければ」そういう状態でも泣き寝入りしなくてはいけなくなる。

コムスン騒動を見るに、なにやら、問題のとらえ方がおかしいと思うのだ。

問題点は「嘘の申告をしたこと」である。その点をはっきりさせなくてはいけない。
一方で、コムスンのサービスを利用していた多くの利用者がいて、実際に介護サービスで「市場」を形成していたことも忘れてはならないのじゃないか、などと考えたりするのである。