Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

ちょっと待て

東京池袋のデパート屋上から、若い女性が身投げをして、たまたま通りがかった男性が巻き込まれるという事件があった。
「他人を巻き添えにするなんて」と、当然非難囂々であるが、私はこのニュースを見てたまげた。

なにがたまげたかというと、くだんのデパートの屋上にはシッカリした高い鉄条網があって「よほどの意志」でなくては、これを乗り越えることは難しいからである。
亡くなった女性は、鉄条網を乗り越えてから10分ほどして身投げをされた。

若い女性が、身投げをするのに逡巡した時間がわずか10分である。これは、もう眼下の世界など考えられないほどの心理状況だったに相違ない。
巻き添えになった男性にとっては理不尽きわまりないが、身投げをしてしまった女性も、やっぱり哀れだと思えてならないのである。

実は、自殺は男性のほうが圧倒的に多く、女性の2.5倍あるそうだ。近年は、中高年が増えているのが特徴である。この世は生きづらい世界であるから、ある意味で、納得できる点もある。生きづらい世の中をつくってしまった責任が、中高年男性にないとは言えない。若者は仕方がないが、中高年になれば、今までやってきたことが問われる。
たとえば「最近の若いモノは」と言ったところで、その「若いモノ」の親があんたじゃないか、このバカモンという批判があながち不当だとは思われない。

その点、女性は強いから、男性のように簡単に死んだりしない。男どもは競争社会で勝つことを宿命づけられているから、負けてしまうと自分の存在意義を疑ってしまう。しかし、女性は、そんな無駄な競争に費やす努力を、ちゃんと自分の人生を楽しむことに向けることができるはずだった。
はずだった、と書いているのは、近年、そうもいかなくなっているのじゃないか、と思うからだ。女性の社会進出は良いことだと歓迎されているわけだけど、一方で「男と同じ」社会参加をすることは、男と同じプレッシャーを引き受けることにつながるだろう。
そういう意味で、女性の自殺はこれからジリジリと増えるのではないか、と思ったりする。

私は、女性の社会進出をもちろん否定はしないし、必要だと思うけど、負の部分が生じることもちゃあんと頭に入れて欲しいと思う。なんでもかんでも男と同じが良いことではありませんよ。だって、ほら、男はこんなにも馬鹿じゃないですか(苦笑)女性のみなさん、それはよくお分かりでしょう?

さて。
そうではなくて、若い女性などは、あるいは恋愛関係で絶望して、よからぬことを考えるのかもしれない。
もしそうなら、鉄条網を乗り越える前に、ちょっと考えてみて欲しいのである。
世の中には、たくさんの男が余っており、少数のいい男が(すごく気に入らない連中だが)いて、明らかに負けてしまった男達は、子孫を残すこともなく、ただむなしく骸となるのである。そういう無念な男は、世の中にゴロゴロ数多いるのである。今日も、どうしようもなく、一人でアパートで酒くらって眠るしかない、そんな男はいっぱい居る。
なのに、女性に決然と、とっとと死なれては、そういう男どもの立つ瀬がないではないか。
私は男なので、この際だから男どもの秘密をばらしてしまうが、女性が死ぬほど価値のある男なんてみたことはないよ(苦笑)

世の中、だいたいもてない男ともてない女は仲が悪い。双方、己を知らないからだろう。私自身がそうなので、それは分かるのである。であるから、そういう男女にとって、この世は己を知るための修行の場である。途中で脱走したりしないで、せいぜい苦労しようじゃないか。