Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

ワイドショー国会の行く末

これは「ねじれ国会」ではない。これこそ「ワイドショー国会」じゃないか、と私は思う。

ご存じの通り、ねじれ国会のおかげで法案が通らない。国会麻痺状態である。もっとも、そうであっても「なんだ、国会なんて麻痺したって、俺たちの生活に関係ないじゃないか」と皆が気づくきっかけになるかもしれないので、まんざら悲観ばかりでもないのだが。

それにしても、数少ない「与野党一致法案」の「ワイドショー」ぶりには、暗澹とする。改正銃刀法だの温泉法などは別にいいが、厚労省関係は「格差是正」だというので、最低賃金法と労働契約法が改正に合意した。
最低賃金法は、最低賃金をあげるためで、労働契約法は派遣社員と正社員の格差を埋めるためのものである。

こんな法案にだけ賛成するのである。マスコミが「格差、格差」と騒ぐから、こういう法案は賛成したほうが良いというワケだ。なんのことはない、小泉時代どころではない、これこそワイドショー国会そのものである。

ちょっと経済に詳しい人間ならすぐに分かることだが、こんな法案を通せば、更に格差が拡大する懸念がある。日本の経済成長を「いざなぎ越え」の高成長と誰が言い出したのか。こんな成長実感のない好景気もない。儲けているのは輸出企業で、彼らの投資先は海外なのである。1ドル80円時代のバブル経済を経験した日本は、そういう体質にシフトした。だから、東京中心の大手上場企業がいくら儲けても、国内市場にまったく波及がないのである。
成長率2%なんて、実質成長ゼロと同じである。OECD加盟国で、悪い国だって成長率は5%程度はある。日本はゼロ成長、世界レベルでいえばデフレ基調かもしれない。

そういう中で、企業は人件費を抑制する。そうしないと食えないからだ。正社員をリストラして、派遣社員にする。その派遣社員を労組が守ったという話は聞かない。フリーターの赤木某氏が語った「丸山政男をひっぱたきたい」そのもので、もっとも弱者である派遣社員を労組は守らない。なにが労働者の団結だ、嘘つきめ!ということである。
現実には、正社員の待遇は、派遣社員が存在しているから守られている既得権益に過ぎない。

その派遣社員を、正社員並の待遇にする、簡単にクビにできないようにする。一見良いことのように見えるが、しかし、成長率2%だから、彼らに分配するパイはないのだ。パイがないのに、一人あたりのコストが増える。企業はどうするか?当たり前であるが、労働者そのものの数を減らす。それしか回答はない。
かろうじて、派遣で職を得ている人達がどうなるのか?彼らの待遇が上がればいいが、おそらく、失業者に転落する人のほうが多いはずだ。だって、経済成長していないんだから。

人減らしして、それでも存続できない企業は廃業するか、より一層海外シフトするしかない。中国がまたまた繁栄するだけの話である。
今や、日本の労働者は、中国やインドの労働者と競争している。グローバリズムとはそういうことである。国内を厳しくすれば、海外に行けばいい。実際、そうした企業だけが儲けているのだ。
海外進出には当然リスクもあるし、それなりの人材や投資が必要だ。だから、地方を中心とした中小企業はどんどん沈んで、一部上場だけが市場最高利益を更新する。その金は、ふたたび海外投資に向かう。国内には落ちない。
物価があがれども、給与は増えず。その上、失業者が増える。これぞ貧困化の始まりである。

なんのことはない、ワイドショー国会は、「格差拡大」のマスコミ連中のいいなりになって、より一層の貧困化を推進している。

思えば、昨年の耐震偽装事件がそうであった。ワイドショーのために、馬鹿のような建築基準法が改正され、今や国内建築市場は35%のダウン。業界としては沈没である。だけど、誰も責任を取らない。
国とか官が、経済に役立つことは、基本的に「ない」のである。そんな時代は終わった。

ワイドショーの言いなりに国会が運営される。マスコミ連中は基本的に見識が足りない。当たり前である。かれらは、単に物書き崩れであり、テレビ屋さんにすぎない。作家のなり損ないやらテレビ屋の言うとおりにして、どうして国が良くなるはずがあるだろうか。

ハッキリ言えば、マスコミがこぞって叩いた小泉-竹中改革のほうが、遙かに現実をみていた。格差拡大を作り出しているのは、マスコミよ、お前達そのものだ。

ワイドショー国会。地デジになったら、いい機会だからテレビなんぞ捨ててやる。

だいたい、日本でしか使えない、輸出一切ダメなテレビをメーカーに作らせて、いったいどうするつもりなんだろう。。。

地デジごと、ワイドショー国会なんて捨ててしまえ。私は、そう思っているのである。