Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

もたれ合い

国政はご存じのとおり麻痺状態でありまして、ようやく「道路以外つなぎ法案」なる珍妙な法案が可決されたわけです。
これで、どうにか5月末まで「オフショア取引(外-外)減税措置」だの土地取引の登録免許税だの、また意外と知られていないのですが、農家がビニールハウスで使う灯油の減税措置などの暫定税率が延長されて、どうにか国民生活の混乱が避けられる、となったわけです。

しかし、これって妙だと思いませんか?

今回のドタバタで、すっかり小泉-安倍改革路線からもとの利権集団へカムバックしてしまった自民党と、政権ほしさになりふり構わず参院で「掟破りの逆強行採決」を繰り返すプロレスみたいな民主党、という堪らない状況については、くだくだ申しません。もう書いたことですし。
ただ、民主党は、少なくとも1点だけは、まともなことを言ったと思います。
「もう20年以上も、暫定措置が続いているのはおかしい」です。
暫定措置は、だいたい2年か3年で切れますからね。そりゃ、誰が考えてもヘンな話で、この指摘はもっともじゃないでしょうか。

では、どうして、こんな仕組みになっているのか?

実は、日本の税法は「世界一複雑」だとされていて、その原因が、これら暫定措置なんですよ。全部で90以上もあるのです!
そりゃ、税理士だって、業界が違うとよく分からない、なんて話がゴロゴロ出ちゃうわけです。仕方がないから税務署に聞く。すると、ちゃんと懇切丁寧に教えてくれる。そうすると、教えられたとおりにしなきゃいけない。「行政指導」のできあがり、というわけです。

官僚サイドからみれば、そういうことなんですが、政治家にとってはどうでしょうか?

各業界ごとに、それぞれ暫定措置があって、それが2~3年ごとに更新になる。そうすると、業界団体の人から「是非、延長措置を」と陳情がやってきます。「よっしゃ、まかせとけ」なんて言って運動する。結果「○○先生のおかげで、今回も無事に減免措置が延長されました」となります。
もしも、暫定措置でなくて、恒久法だったら、族議員の仕事は半分以上なくなってしまいます。つまり、議員にとっては陳情と引き替えに、選挙協力を引き出す良い機会なんですな。

こんな状態だから、いつまで経っても「暫定措置」のままの法律が、えんえんと20年30年と続くのです。

業界団体というやつが、○○先生を励ます会をつくり、そこに△△省のOBが天下ってきて、暫定措置法の延長をやる。そのために陳情が必要、選挙応援が必要、そうして政官財がもたれ合う構造になっています。

最大の暫定措置が「道路特別財源」だったわけで、小泉-安倍内閣と続いた「一般財源化」は、早い話が政治主導にして、官財癒着を絶とう、ということでした。そうすると「族議員」と「××業界総決起○○先生を国政に送り出す会」がなくなる。
そこに天下る官僚OBもいなくなる。これが「抵抗勢力」の本体ですから。

もっとも、マスコミは、そんなことは欠片も報道しませんがね(苦笑)
ハッキリ言えば、テレビや新聞こそ、最大の業界団体ですから。テレビ局の電波って、あんなふざけた安いものはないんですから。
電波は、国民の財産なのに、それを涙金で使って、そのおかげでテレビ局社員の高給はものすごいんですよ。もちろん、下請けいじめの総本山です。その彼らが、安倍政権をよってたかってたたきまくり、あげくに「格差問題が深刻だ」とご高説を述べるので、もう悪い冗談としか見えないですな(苦笑)

民主党も、ここで「つなぎ」なんかやらないで、全部恒久法案化しろ!と一言わめけば、素晴らしい政党ですよ。
それなら、私は「暫定措置」で支持にまわってもいいんだけどな(笑)