Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

フリーランスのジタバタな舞台裏

フリーランスのジタバタな舞台裏」きたみりゅうじ

正月休み読書の1冊。こうしてみると、本ばかり読んでいましたが、なにしろ大雪だったもので、どこにも出られなかったのですな。
おまけに、暖房の部屋で寝っ転がって本を読んでいると、母親が「ご飯が出来たよ」と言ってくれる。極楽とはこのことであります。

さて。
本書の著者は、もともとソフトウェア会社の中堅技術者で、ある日退職を決意するのです。
どこの会社もそうですが、だんだんと大きくなり、自分の社歴が長くなると、もちろん待遇も上がり安定もするのですが、一方で仕事の内容はつまらなくなる、なんてことがある訳です。
「このままでええんかな?」などと思い出すと、疑問はむくむく肥大。「よし、1回しかない人生だ、好きなようにやっちゃるわいっ」おきまりのパターンですな(笑)
かくして「フリーランス」が誕生するわけです。
ところが。。。「今日からフリーです、よろしく」なんて言ったって、いったい誰が仕事をくれるというのでしょうか?はい、いませんね(苦笑)
そんな有様なのに、著者にはさらに、待望の女の子が生まれてしまう、、、のですな。いや、めでたいんだけど。。。
あせったオトーサンは、ついつい「アルバイト募集中」のコンビニ張り紙も見ちゃうわけです。「どうせ暇なら」と。しかしそこで「いや、ここで安売りしてはならん」つらいとこですねえ。
そうこうしているうちに、どうにかこうにか、執筆本がヒット。ようやく、なんとか食べられるようになるわけです。
そんなときに同窓会の通知。出席して旧友に「いま、何をしてるの?」「いや、フリーだけど」「年収いくらよ?」「ゴニョゴニョ。。。」
すると、酒によった旧友から、思いっきり嫉妬攻撃を浴びるわけです。
サラリーマンと違って、なんの保証もないわけで、そりゃ同じ収入じゃあ怖くてやっていけない。。。。

評価は☆。
どっちかというと、技術屋さんらしい淡々とした筆致。あまりドタバタじゃありません。
ただ、個人的に、20代後半の会社ごっこ時代を思い出して「うんうん」と頷いてましたね。経験者にはわかる本?!

個人事業主、結構つらいものです。
まず、失業保険がありません。失業したら、それっきり収入の道は絶たれます。病気もおちおちできないのです。
その病気ですが「会社が半分負担してくれる社会保険」なんて、その「会社」って、、、、結局俺自身じゃないかぁ!ってことで、それなら国保でいいじゃん、となっている場合が多いですね。
そうすると、年金も国民年金だけ。つまり、厚生年金がないんです。いや、やろうと思えばいいんですが「結局俺自身」ですから。
つまり、個人事業主って「儲かったときは良い」けれど、「そうじゃないときは地獄」なんです。だって、ダメな時って、まず「国保」「年金」が払えませんよ。そんな時に病気でもしたら、、、最悪です。
ええ、ぶっちゃけ自分の経験なんですが(爆)
しみじみ思いましたね「サラリーマンはいいよなぁ」
以来、結構まじめにサラリーマンをやっているのですね。「己の分際を知った」わけであります。

そういう意味で言うと、本当の格差社会って、実は個人事業主そのものなんですよ。
だけど、個人事業主=社長=資本家ってことで、あんまり左翼さんも相手にしてくれない。「労働者」じゃないもんね。
人間には変わりないのですが。イデオロギーって、しょせんレッテルにくっついた解釈だけの話だ、としみじみ思いました。
結局、頼れるのは自分だけ。これ、私の理論ではなくて「肌で感じた感覚」ですね。

余計な話になりました。

フリーで生きている人たち。基本的に、それだけで、やっぱりすごいのですよ。素直に思うね、うん。