Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

黄金の羽根の終焉

最近見ておりますと、もう零細事業者は整理の流れだなあと。

話題の「インボイス制度」ですが、これは消費税の免税業者との取引について、インボイス番号がないと控除できなくなるというもの。まあ、八百屋さんや魚やさんのレベルでは関係ないでしょうが、個人商店では影響は大きいと思います。特に、楽器店や書店、ユニフォームなどを扱うショップなどは学校などが取引先のことが多いので、インボイスは必須のはず。「益税」を回避するということもあるでしょうが、これらの店舗は実際には大手ほどの収益力がないですからね。税込みでなんとか経営が成り立っているレベルのところも多いでしょうから、影響はあるだろうと思います。

 

その前に、いわゆる小規模の法人でも、社会保険が強制加入という変更もありました。

これがなかなか強くて、仮に一人社長の法人であっても給与があれば基本的に社会保険に入らないといけない。仮にですけど、最低レベルの給与20万と考えた時、今の社会保険料が本人3万円ですが、実は会社負担が同額ありますので、実質は6万円の負担になるわけですね。一人会社ですと、これを自分一人の稼ぎで払うわけで、すごいなと。

まあ、私もそういう一人なんですが(苦笑)。

ちなみに、国の出している国民負担率のグラフでは、この会社負担分が表示されていないというトンデモなごまかしがありまして、N国党の濱田議員が国会でこの件を質問しています。他のセンセイがたは、誰もこの問題につっこまない。ほとんどのセンセイが、そんなことを知らないのでしょう。なんだかねえ。N国党は、党首騒ぎで愚かな光景を見せていますが、この濱田議員は極めて優秀なので、惜しいなと思っております。

 

つまりは、ほんの一昔まえと比べると、個人事業でもインボイス制度、零細法人でも社会保険ということで、いわば「小規模事業でうまく税を回避する」いわゆる「黄金の羽根」は続々ともがれている状況だと思います。

私個人は、この黄金の羽根のおかげでこの15年間を生きてきたのですが、そのスキームの終焉を感じている次第ですね。

それも、どんどん進行する少子高齢化でこういう「お目溢し」をする余裕がなくなってきているということでしょう。

 

言うまでもないですが、このような制度変更がもっとも直撃するのが、スタートアップ企業であると思います。

ある程度の収益力がないと、最初から生きていけない仕組みになっている。

ゾンビ企業を淘汰するのは社会的に必要ですが、生まれたての会社がたちまち行き詰まるシステムはどうなのかなあ、と思わずにはいられません。

 

ま、ぼちぼち一線からは引きつつある自分ですので、こんなのも余計な口出しということになるのでしょう。ですが、若い人たちにもう少しチャンスをあげる社会でないとまずいかな、とは思っています。