Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

つかえるものは

四川大地震の惨状ぶりには驚くばかりだ。心からお見舞い申し上げる。
また、政府の記者会見において「倒壊した建物は、学校ばかりで、政府の庁舎はひとつも被害がないのはなぜか?」という質問を放った女性記者に敬意を表したい。
かの国で、この質問をするのに、どれだけの勇気が必要なことだろうか!
我が国のマスメディアの皆さん、彼女の爪の垢でも煎じて飲むべきじゃないかね。

中国政府の「日本支援に感謝」報道は気味が悪いくらいだが、それで反日が終わるなんて思わないほうがいい。どうせ、また手のひらを返すに決まっている。
それでも、あんまり可愛そうなので、救助隊を出して支援すべきだ。
それが、日本人の心だ。あとの見返りは、どうせ「恩を仇」だろうけどさ(苦笑)。今更、期待はせんよ。

ともかく、これで間違いなく、中国経済は減速局面に入った。
これを、どう見るか?

「なにがなんでもオリンピックまでは鉄板」だと言われた中国の株価は、実は下げ続け、既に昨年の1/3の水準となった。中国の内需は、正確にはわからないのだが、公共投資と建設関連で60%(!)というウソかホントかわからないデータまであり、その結果として地価が上昇し、典型的なバブル局面にあった。

さらに、土地と株のだけにとどまらず、生活必需品にまで物価上昇が及び、それが格差にあえぐ地方生活者の呪詛になっていた。報道されないだけで、暴動は頻発していたようだ。
中国は、数度にわたって人民元切り上げを行いつつ、なんとか加熱した経済の軟着陸に必死だった。
そこに、この大地震である。

中共は、決して福祉国家ではないので(共産党のくせに!)いざとなれば復興事業なんてほっぽり出す。だから、他の国と同レベルで、経済への影響を語りきれない部分がある。
しかし、マイナスの影響は避けきれないだろう。

ちょうど、経済を冷やしたがっていた政権にとっては、これで「良い口実ができた」部分が正直ある。もちろん、日本を含めて、再び国際的な経済支援を取り付けることもできる。
だいたい、年率11%の成長を続けるなんてムリなのだ。
今の段階でブレーキがかかったのは、天の配剤と言えなくもない。

しかし、一方で。
四川省は、中国国内における主要農業生産地である。
このまま、国内における農作物価格の高騰という形で、物価上昇に歯止めがかからない場合はまずい。軟着陸どころではなく、奈落の底まで転げ落ちる可能性がある。

いずれのストーリーにせよ、これで中国経済の減速(それが、急激か緩やかかは別として)は間違いないだろう。

うまくいったのはアメリカだ。
普通なら、中国とべったりのアメリカ経済は、そのまま最高速度で壁にどすん!のはずだった。ところが、ご存じのようにサブプライム問題で、さんざんブレーキを踏んだあとだ。アメリカの金融経済における影響は、かなり少なくて済む。中国発の「世界同時不況」には落ちないで済むのじゃないか。

そう考えると、つい思ってしまうのである。
サブプライム問題。ホントに「偶然」起きたんですかね。。。ずいぶん、うまいストーリーなんじゃないか、なんてね。。。