Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

定見なき

引退を決めた中山元農相が、民主党鳩山幹事長にかみついたらしい。
「辞めろ、辞めろ」と言っておいて、本当にやめた途端に「無責任だ」というのでは筋が通らないじゃないか、というものである。
私も同じ論理をこのブログで書きましたが、まったくその通りだと思うほかないですなあ。ヤクザのインネンと変わらぬではないかね。

ついでに言えば。
衆議院の解散、と申すのは、もちろん衆議院議員が「任期半ばで辞める」ことを意味する。(「引退」は次の選挙に立候補しない、ということで辞任ではない)
わかりやすく言えば、480人が「任期半ばで」その職責を放り出すのである。
総理大臣や農林大臣の任期半ばに関しては「無責任」だが、国会議員の「任期半ば」はこれを推奨するのは、いかなる論理によるのであろうか?人数が480人になれば「赤信号みんなで渡ればこわくない」ということなのだろうか?
よくよくご説明を伺わなければ、とうてい市井の平凡人は理解できない話であることであると思う。

ついでなので、これもぶっちゃけておくと。
世界経済がグローバル化し、分けても原油ならびに食料の価格高騰の原因をつくったのが投機資金であるとして、これを悪の権化のように批判するのが最近の流行であった。
そして、今やサブプライムに端を発して、米国はおろかEU、日本、アジアの株式市場もみな大暴落、世界同時株安である。早い話が、1日に何千億だか何兆だかわからないが、カネが市場から消えているのである。
しからば、これら金融市場のカネは投機資金であるから、当然グローバリズムを批判するのであれば「投機資金が減少して良かった」と快哉を叫ぶのが道理であろう。
なのに、実際は、そういう人々は「アメリカが世界不況を招いた」と言うのである。いや、あんたの言うとおり、投機資金が大損こいてるんですけど、と思うのは私だけか。

さらに言う。
かつて、日本がバブルの処理で、破綻した金融機関を安く外国に売ったとき、鬼の首をとったように「日本の資産が外国にたたき売られている。アメリカの謀略だ」という議論が流行った。この話も、つい最近まで「年次改革要望書」まで持ち出して、かなり流布していた。
今や、サブプライムに深入りしなかった日本は、破綻したリーマンを買ったりモルガンスタンレーを買ったりしているわけであるが、しかし「今度は、日本の陰謀だ」という議論は寡聞にしてきかない。むしろ「アメリカにカネを出させられている、また言いなりだ」というのである。
売っても買っても、どっちの立場になっても「アメリカの陰謀だ」。
ボウズ憎けりゃ袈裟まで憎い、それは分かるが、それにしても、これじゃあもう論理じゃない、と思うのだけどねえ。

かように。
定見なき言説が流行るのは、マスコミがその場限りのウケで流す情報を、そのまんま受け取ってしまうからだろう。
つまり。本当に困ったことは、こういう「定見なき」言説を振り回す人々は、単に信じやすいだけで、とても良い人達である、ということなのである。素直な人達である。
なんでも疑り深い「穿った見方」の大好きな、私のごときへそ曲がりとは違うわけだ(苦笑)。
当たり前であって、日本人がみんな私のごとき、ひねくれた根性になってしまったら、これはよほど問題である。まさに亡国ではありませぬか。
日本は良い国だとしみじみ思うとともに、ちょっと心配にもなるのである。

余計なお節介だとは思うんですがね。。。