Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

富を「引き寄せる」科学的法則

「富を『引き寄せる』科学的法則」ウォレス・ワトルズ。

本書が上梓されたのは1910年らしいので、おそらく、現在残っている最古の「成功哲学」の本であろう。
この本は、高名な「と学会」によって、めでたく「トンデモ本」2008年大賞を受賞したそうである。
と学会のダメぶりが分かる逸話であって、こんな歴史的書籍をトンデモ本に指定したら、それこそ古事記から般若心経、旧約聖書、ツアラツストラに日本国憲法までみんなトンデモである。
そういうのは狭量という。

むしろ、この薄い文庫一冊で、生涯他の成功哲学本を読む必要がないのだから、喜ぶべきである。そういう意味で原典かつ古典なので、むしろ岩波文庫に入れるのがふさわしい。
「ああ、いにしえの人はこのように考えておったのだなあ」としみじみすること、請け合いである。

さて、肝心の「富を引き寄せる科学的法則」であるが、これは簡単な理屈からできている。
1.富を築くには、そう信じることが大事である。
2.人は「これは科学です」と言えば信じる。
3.富を築く法則は、科学である(としておく)。
よって、富を引き寄せるには科学的法則があります、これは科学です、だから信じなさい、となる。
言うまでもないが、本書自体が、成功のためのプラグマティックな道具であることを意図して書かれているのである。
であるから、本書の中の内容が、疑似科学であるとか、あるいは宗教であるとか、論じること自体が意味がないのである。
(著者にとっても、そしておそらく読者にとっても、それには関心がないものと思う)
そうではなくて、この本が富を築くのに「役に立つかどうか」その一点で評価されるべきなのである。だって、道具なんだから。

で、そういう意味で評価すると、☆☆じゃないかな。
つまり「結構役に立つ」のである。

言うまでもないが、資本主義社会で富を得る法則は「相手が支払う金額を上回る満足を与える」ことである。つまり、価値の創造(付加価値)である。
そうすれば、必ずあなたの事業は繁栄します、と書いてある。当然である(笑)そして、金銭的に豊かになれば、精神的にも豊かに(少なくとも、その余裕ができる)なります、と書いてある。当然である(笑)
しかし、この簡単な原理原則を貫きとおすのは簡単ではないので、こういう道具が必要になるわけだ。
「必ず豊かになると信じて」「付加価値を創造し」「成功しても、決して他人の悪口を言ったり貶めたりしてはいけない」ということ。
信じるのは、行動を継続するためである。
つまり本書はごく当然の「道具」なのである。