Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

中入れ

鳩山首相に対しては、一部に「深謀遠慮説」がありました。
いわく「もともと、鳩山氏は改憲説。この際、徹底的に辺野古移転はムリだと米側に思いしらせて、ついには米軍基地を日本から廃する策ではないか」
なるほど、そうすると右往左往の「軽い発言」も、すべて計算ずくとなるわけで。
やはり宰相たるもの、深い考えかもしれぬと思ったものでしたなあ。

で、現在ですが。
たとえ一瞬とはいえ、そんな深い考えをルーピー氏に期待した自分の馬鹿さ加減につくづくイヤになっているところで(泣)国民が選んだ(はずの)宰相が、ただの阿呆だとは信じたくないですもん、普通は。
だけど、事実は(泣)

結局、もとの黙阿弥で、辺野古に決まりそうな案配です。
ご存じのように、お隣の韓国では緊張勃発。中共の後ろ盾がない以上、北朝鮮も暴発できないと思いますが、それにしても剣呑でしょう。
で、沖縄から米軍基地がなくなれば、そりゃ朝鮮半島における米軍の足場は失われるわけで、結果次第にですけれども、また韓国から百年「恨」を抱かれる結末になりかねない。
私は、もうごめん被りますなあ。

ところで、そもそも侵攻能力しかない海兵隊がなんで抑止力なのか?などという素朴な疑問もあるようですので、兵法の初学ですが、ちょこっと書いておきます。

日本の戦国時代から「中入れ」という言葉があるのですな。GHQの日本語改革で古文書を読めなくなった現代の日本人には、こういう概念すらないんで(泣)

ええと、たとえば、北朝鮮が100万人の兵力があるとして。(実にあるらしい)
その韓国軍が、全力を挙げて北海道に侵攻したと。(しないと思いますけど)
そうすると、話は簡単で、せいぜい2~3万の兵力があれば、がら空きの本土、首都平壌を落とせるだろうと。結果、北海道侵攻軍は立ち枯れとなるわけですね。
このように、主力軍が留守の間に本国を攻める策を「中入れ」と呼びます。
戦国時代では、常識でした。ですから、どんなに侵攻軍を起こしても、本状守備隊は相当数残さなければいけない。上杉謙信なんか、川中島に直轄軍8千を連れて行っても、春日山城に1万以上おくわけです。
だって、川中島で丁々発止やっている間に、春日山を落とされたら、帰るところがないんですよ。

つまり、軍事的な常識でありますが、そもそもこの兵力を「抑止」だとか「侵攻」だとか、そんなことはできないのです。もっとあからさまに言えば、防衛専門の部隊に比べて、侵攻能力のある部隊は、少数でも強い抑止力になるのです。それが速度のある部隊であれば、なおのことです。

だからといって、侵攻部隊を強力に抱えるべきだ、というわけではありません。下手をすると、暴発してはちゃめちゃ、は怖いです。
ですが、日本国憲法は、そもそも、絶対に他国を侵略しない、世界に類のない誇り高い憲法ではありませんか。
しかし、一方で、侵攻能力のある兵力が、抑止力としては大いに効果的という事実があります。
さて、どうするべきか。

米国との安保条約は、唯一無二の回答ではないでしょう。
けれども、間違いなく「ひとつの回答」ではあります。
沖縄の負担軽減問題も含めて、これと異なる「合格の回答」を書けるのか?

古来の兵学、あるいは地政学も併せて、ちゃんと軍事的な見識に基づく他の選択肢を示さない限り、納得はできないわけでしょう。

日本だって、盗ったり盗られたりの国盗りをやった歴史があるんですよ。
もうちょっと、先祖の歴史を鑑みるべきだろうと思うのですけれどもね。