Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

ねじれ再現

またまたねじれてしまいましたね(苦笑)
日本政治の迷走ぶりの表現だとは思いますが、鳩山さんの就任以来の民主党政権の迷走を思えば、ある意味で妥当な結果かもしれませんなあ。
ま、今や政権党の民主党が「直近の民意に従って解散しろ」という、かつての自分たちの主張どおりにふるまうのかどうか。
もっとも、今や民主党の「かつての主張」なんか、気にする人がいるわけはないか(笑)

ただ、マスコミの「消費税発言が敗因」という分析は、違うと思います。
選挙前の世論調査だって、消費税に関しては、容認・否定双方40%越えという2分状況でした。
国民の半数近くは「しょうがないかも。。。」と思っているわけで、1人区で圧勝した自民党のマニュフェストが10%容認だったのを考えても、これは敗因じゃないでしょう。

といっても、私はネットで一部に言われている「外国人参政権」やら「人権法案」の問題で、与党が敗退したとは思いません。
これらの政策は、私も反対ですが、一般に多くの国民に認知された政策課題とは言えますまい。

実際に、比例区では、民主党はいまだ自民党よりも獲得議席が上回っております。
自民党は、勝ったとはいえないと思いますね。

1人区は、つまりは「地方」なんですよ。
つまり、民主党の政策に、地方経済の再生に関する希望が見えなくなった、失望したのが原因です。

民主党は、平たく言えば「小泉改革」の批判によって政権を取った政党です。
それを、鳩山さんは「格差の拡大」だと言いました。あとで考えれば、母親からのお小遣い月々1500万円の人が「格差社会の拡大」を批判していたワケで、壮大なブラックジョークでしたが。
しかし、まあとにかく「官僚主導政治からの脱却」をすれば、たちどころに16兆円の財源が確保でき、年金問題も医療問題も解決、日本の景気はよくなると宣伝したわけですよ。
で、結果はごらんの通り(苦笑)

それでも、都市部はまだ希望を持っていると思うのですね。脱官僚というのは、都市民にとっては希望です。
なんといっても都市の生活コストは高い。ガソリン税やら高速道路というのは、その高コストの象徴だったわけです。
つまり、都市民のニーズは「官を小さくして、都市生活のコストを下げろ」なんです。
みんなの党なんかは、この流れにうまく乗りましたね。

で、地方はというと、今でも田中角栄型なんじゃなかろうか、と思います。
つまり、都市部から集めた税を、地方に再配分するという政治ですね。そのツールが土建だったわけですが、分かりやすく言えばそういうことでした。
地方は、民主党政権は、脱小泉改革、都市からカネをぶんどってくれる政権だと思ったわけです。
地方にとっての「官」は、霞ヶ関の偉い役人が、自分達の分け前をピンハネしている悪代官で、そいつらをやっつければよくなる、ということでした。

ところが、事業仕分けを見ても分かるように「削減」で派手にやりますけれども、道路は造ってくれないわけです。
ズバリ、これが敗因でしょうなあ。

今回の「1票の格差」は、5倍を超えたそうです。

本質的に都市政党の民主党は、この格差を解消しないと、選挙には勝てないのじゃなかろうかと、つい老婆心が(苦笑)

ついでにいえば、小沢さんの復権は、ふたたびイナカ政党に戻るという路線変更で、それは小選挙区対策としてはアリなんでしょうけれども。
自民党は、そうしたら、また苦しいでしょう。

私は、政界再編は、この「都市対地方」の枠組みで起こるのじゃないか、などと思ったりします。
もちろん「大きな政府対小さな政府」でもいいんですが、日本における「大きな政府」がイコール地方重視であるという田中角栄型の政治的な呪縛はとけないように思うのです。

マクロ的にみた場合、生産性の低い地方への財源投入は単純にマイナスですが、これを地方から都市への人口流入がプラスにさせていたわけです。
今や、地方と都市の生活格差が小さくなり、都市への人口流入が減った一方、地方へ投下した財源が人口増加も経済力の増加にもプラスしなかった。
この失敗は、長期でみた場合に実は大きいのじゃないか、と。

というわけで、「ねじれの遠因は、実は角栄政治にさかのぼる」という珍説でした。
お粗末でした(苦笑)