Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

雨の日の猫はとことん眠い

「雨の日の猫はとことん眠い」加藤由子。

3ヶ月ほど前のことである。
強い雨が降っている夜に、住宅ローンの塊たる我が家に帰宅してみたら、玄関先になにやらいる。
暗いこともあるが、まっくろである。
それが子猫であると分かるまでに、しばらくかかった。

近くに兄弟か母猫がいるのではないかと思ったのだが、まったく見あたらない。
そして、それは、小さな声でニイニイと泣き、動かない。
仕方がないので、とうとう家に入れて風呂に入れる羽目となった。

洗ってみたら、小さな三色の雌猫であった。
あとで獣医に連れて行ったら、3ヶ月程度と言われたので、どうやら離乳して間もない頃であろうと思われた。
しようがないので、近所のペットショップで小さな猫缶と砂を買ってきた。
子猫は、ひたすら食べた。
トイレは小さな段ボール箱に即席で砂を入れてつくってやったところ、何も教えないのにそこでした。
「おお、なんと賢い」
私は感激した。
犬は飼ったことがあるが、猫は初めてである。

その日から、毎日、子猫に早朝起こされることになった。
まだニャアニャアと鳴けないらしく、相変わらずニイニイと鳴く。
顔を甘噛みしてくるのだが、子猫の入歯は針のように鋭く、たいへん痛い。無視するわけにもいかず、起きて猫缶を開ける。

ただし、有り難いのは、トイレのしつけもまったく要らず、爪研ぎも壁でせず(ソファでやっている)、散歩もいらず、体臭もしないことである。
犬より手がかからない。
夜は、私の隣で丸くなって寝ている。

なんとか里親を見つけようと近所に張り紙などしてみたものの、まったく反応がなかった。
獣医に連れて行ったところ、予想通り寄生虫もおり、駆除した。ワクチンも打ち、医療費もかかるものだと思った。
そのうちに、猫も、我が家を「自宅」と認識してしまったらしい。
もはやどうにもならないので、40も半ばを過ぎた中年が生まれて初めての猫の飼い主となったのである。

少しは猫のことを勉強してみようと買ってみたのが本書である。
おかげで、ずいぶん猫のことが分かってきた。
私の猫は、本書にある通り、そろそろ歯が入れ替わると思うのだが、たしかに床に落ちた乳歯をみたことはない。
私のことは、親猫だと認識している様子である。

評価は☆☆。
猫を飼う人には、必見の内容である。
ちなみに、私の家の猫は、人間の食べ物をひどく欲しがる。本書にある通りで、幼いときに、どうやら親切な近所の人達にさんざん食糧支援をもらったものらしい。
おかげで、アジの刺身は安心して食えなくなってしまった。

昨日は、東京にも久しぶりの雨が降った。
本書にある通り、猫は飯とトイレの時間以外は、すべてうつらうつらとして過ごしていた。
どうやら、私たち人間は、ずいぶん忙しすぎる人生をおくっているもののようである。