Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

河川法改正

今年の通常国会では、地味だが重要な法案が可決される。
河川法の改正である。

なにが改正されるかというと、農業用水路に小水力発電を取り付ける場合、現在の許可制ではなくて、届出制になるのだ。
農業用水は利水のためにひかれるのだが、ご存じのとおり、そこで水車を回しても、取水量に変動はないからである。規制緩和の一環であろう。

原発の停止という事態になってから、新エネルギーがにわかに騒がれだした。
特に太陽光発電がにぎやかである。しかしながら、これには理由がある。規制である。

新エネルギーといっても、地熱や小水力は、法的規制があって、開発が困難であった。地熱は温泉地につながっているから、どうしても観光産業との兼ね合いがある。水力は水利権の問題がある。
そこへいくと、太陽光や風力は、なんの規制もない。
借地だろうがなんだろうが、ただつければいいだけ。算入が容易なので、続々とプレーヤーが集まった。まあ、山師ともいう(笑)しかし、ベンチャーとは山師のことであるから、それは問題ない。

問題なのは、新エネルギーとして、太陽光も風力も、非常に採算性が薄いことだ。
で、無理やり固定価格買取制度をつくった。市場を税金でゆがめようというわけだ。
しかし、そもそも天気次第で、安定供給が期待できないエネルギー源に、税を投入するのはばかげている。ヘリコプターマネーだというのかもしれないが、なんでもばらまけば経済が活性化するというのは歴史的に嘘である。再投資可能なものでなければ、民間に資金はとどまってくれない。

こんな有様だから、直近のエネルギーを考えれば原発再稼働しかない、となる。頼りにならないものを持ち上げた当然の帰結だ。だいたい、運転を停止していても、安全性には変わりがないのである。福島四号機は定期点検で停止中だったが、それでも怖いことになった。原発が怖いのではなくて、使用済み燃料が怖いのだから、停止しても意味がない。かえって冷却エネルギーを食うだけ無駄である。

しかしながら、もっと長い目で考えよう。そもそも、ウランの埋蔵量は、そう多いものではない。短くてあと50年、どうみても100年持たないのである。つまり、石油とどっこいどっこいなのだ。
ポスト石油にもならないし、処理にもコストがかかるのだから、一生懸命やっても仕方がないと思う。原子炉の本命は、ウラン以外の燃料を燃やさなければならないはずである。

小水力は、地熱などと同じく、安定して出力が出る。年間流量は、国土交通省がデータをもっていて、実はほとんど変動がない。つまり、年間の出力は、ほとんど読める。

かつて、日本には、たくさんの小水力発電所があった。ところが、電力会社をつくったときに、それらをつぶした。小水力発電があると、電力会社の電気が売れないからである。
こういうケースは珍しいものではない。かつてアメリカのロサンゼルスは市電の町だったが、この会社をGMが買収した。もちろん、倒産するためである。市電が普及していたら、自動車が売れないから。
それでロスは、自動車の町になった。産業のために都合の悪い存在は、つぶしてしまうに限るのである。

その小水力発電は、山がちで河川の多い日本では、全国で2万か所に設置できる。発電量は1400万キロワットで、原発14基分くらいにはなる。これだけのエネルギーが、我々の国土にはある。ただしく天の恵みであるが、その太陽は、実は核融合がエネルギー源である。
よって、小水力と呼ばずに「核融合利用型水タービン発電」と呼べばよい(笑)科学的には正しいだろう、ね(笑)

河川法が改正されれば、山師がたくさん出るから、これはいい。
ついでに、もう一つ、期待したい。

今の河川法は、河川利用が次の3つなのだ。
1、治水
2、利水
3、環境

そこに
4、エネルギー

と加えるだけで良い。そうすれば、国土交通省が管轄する1級河川、自治体が管轄する2級河川に続々と発電機がつく。ダムはいらないので、生態系の影響もすくない。環境負荷が低いのである。

こんなのは、国会で可決すればできる。
お金を使わなくても、新産業をおこして、併せてエネルギーの多様化もできる。

ソ○トバ○クと手を握っていた民主党は反対するだろうが、もはや無力だろう。
自民党なら、できるはずだ。
ついでに、馬鹿馬鹿しい太陽光の固定価格も見直してしまえ。
そろそろ、最初の新エネルギーの採算がでるはずだ。

市場原理は、正しくつかえば、それなりに問題の解決に役立つもののはずである。