Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

これからだ

アベノミクスによる株価上昇、円安も今日あたりで一服のもよう。
当然である。だって、具体的には、まだ何もやってないのだから。
日銀に「2%のインフレ目標」を容認させたところで、ただちに物価が2%上がるわけではない。
まあ、確かに今は物価上昇傾向にあるが、これは円安効果で、輸入品が上がったため。
原発停止のために石油がひっ迫していることもあるが、そのおかげでインフレになるのであれば、リフレ派は原発停止に感謝すべきであろうね。諸物価高騰の引き金になるのは間違いないのだから。
もっとも、これは悪いインフレであって、どちらかといえばスタグフレーションになる要素である。

まあ、問題はこれから。
何しろ、いくら円を刷ってみたところで、民間が投資しなければ、お金は動かない。
日銀の当座預金口座の数字としてつみあがるだけである。

政府は、ここで大胆な公共投資を行うとしているが、たぶん、これは効果が薄い。
小渕政権を持ち出すまでもなく、建設業界は、すでに日本の産業のコアではないから、乗数効果は思ったほど出ないだろう。
その他の産業に比べれば「純国産」製品だから(なにしろ建築物は一物現地生産だから)まだマシなのではあるが。

本筋としては、やはり規制緩和で、強い産業を国内で育てるしかない。
規制で保護された産業は、長期的には低落を招く。

かつての「円キャリートレード」が示すとおりで、国内で潤沢に円が供給されても、国内に成長産業がなければ、借金して調達した円は海外投資に向かうだけである。そのほうが儲かるんだから、これは仕方がない。

円が国内にとどまって、国民が豊かになるためには、再投資する先が必要だ。

ソ連崩壊をみると、アメリカとの軍拡競争で、国内経済が立ち行かなくなったのが問題であった。
軍備というのは、大きな公共工事である。
公共工事をじゃんじゃんやったら、国がつぶれた。
つまり、公共工事をやって、道路や港湾や発電所ができれば、それを利用する産業が発展する。そうすると、またその産業が利益を出して、再投資する。
トラックができれば、そのトラックを使って次の商売ができる。ところが、戦車は次の商売を生まない。

軍事産業は、再生産がない。マネーを投げたらおしまいである。
軍事産業の人がおカネを使うだろうと思うかもしれないが、そもそも投資効率が違うのでダメなのだ。
ヘリコプターマネーをばらまいても、バラマキ先を間違えると、国がつぶれる。
これは歴史的な事実なのである。

だから、絶対に成長性が高い、再生産が可能な産業を国内に育てないと、景気はよくならないし、良いインフレもこない。
そして、その「成長性が高い」産業は、今や国際競争に勝たなければ、あり得ないのである。

国際競争に打ち勝つ、力強い国内産業を育てるにはいったいどうすればいいだろうか。
規制緩和というのは、少なくとも、一つの回答であるように思う。

まあ、とにかく、今までが悪すぎたのである。
安倍政権を、市場が歓迎したことは確かだ。
これからが勝負である。
以前に叩かれまくって失敗したが、市場というのは、結局最後には向き合わねばならぬようにできている。
液晶テレビをみよ。
人工的な市場の盛り上げは、結局、市場の先食いにしかならず、今はテレビ産業は奈落の底であえいでいる。
無理な需要創出を行わなかったら、市場に見合った投資規模でとなり、今でもメーカーはそれなりに安定操業できていたかもしれない。

だから、がんばれ。政策じゃなくて、商策でがんばれ。税金という他人のメシを食わないで、自分でメシを稼げ。

ほかの誰でもない。それは、この私だって同じことなのである。