Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

二枚舌外交術

シリアへの武力行使につき、英国議会で否決。
キャメロン首相いわく「我が国は民主主義であるから」
さすが、だねえ。

かつて、英国が二枚舌を使ったために、イスラエルができ、パレスチナ問題が発生したことは有名である。
英国としては、どっちにも無責任に良い顔をしたのであるが、おかげでヨルダン川付近では、常に武力紛争が起きる。
中東が不安定化し、強国が地中海に出現しないことは英国の国益にかなうし、石油をおかげで安価に手に入れることもできる。

シリアもそうである。
「非人道的な化学兵器」について、先頭に立ってアサド政権を非難していたのは英仏である。
ところが、米国が武力行使をやりそうだ、と見た途端に「一抜け」だ。
老獪である。

表向きは「イラク戦争のとき、大量破壊兵器がなかったじゃないか」ということになっている。
いわば「米国に原因がある」ということである。
こういっておけば、毒ガス兵器に反対した人道的な民主主義国、という前提のままで、武力行使には加わらず、アラブに恨まれることもない。
結果的に目標は達したわけで、まさに英国流外交術の真骨頂というべきだろう。

このくらい、老獪でなきゃ、国際社会は生き抜けないわけだろうなあ。

日本は、例によって米国の追従に動くのだろう。
右翼からは「アメポチの腰抜けが」となるし、左翼からは「ベーテーの手先」だから、どっちにしても評判は悪い。
しかし、それでも日本は、防衛を米国に依存している以上、お追従を言わねばならない背景があるのである。

これはこれで、結構つらいもんであるよなあ。