Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

山本兼一さん死去

直木賞作家の山本兼一さんがなくなった。
年齢をみて驚いたが、私と一回りちょいとしか、変わらない。
いまどき、還暦過ぎたあたりでなくなるのは、早すぎる。

昨年は、この人の小説を面白く読ませてもらった。
火天の城
「雷神の筒」
「いっしん虎徹
職人の苦闘と自尊心を描くのに巧みであったと思う。
職人を尊敬するのは、なかなか他国ではない日本の誇るべき文化的な特長である。
その伝統を生き生きと描き出す氏の小説は、まさに「時代小説を超えた時代小説」だと思った。
ものづくりで敗戦から見事に再興し、世界の工場とまで呼ばれた日本人の心性をよくとらえた、というべきだろうと思う。

今でもメイドインジャパンは誇り高いブランドであるが、大量生産による数量の伸びは見られなくなった。
日本が先進国入りし、いやおうなくグローバル経済に取りこまれることで、人件費が相対的に高くなってしまったためである。

もしも、今でも1ドル360円であれば、ただちに日本は世界一の工場に復帰するであろう。
ただし、バブル時代のように、黒字亡国となるであろうが。。。
世界一の金持ち民族が世界で最も貧しいウサギ小屋に住み、毎日片道2時間かけて通勤し、世界一高いマクドナルドを食べ、世界一高い電気代とガソリン代を払い、住宅ローンを孫の代までかけて返す。
使い切れないドルは外貨準備として米国債になって積み上がり、日本は紙束を得て、アメリカは実際の財を得た。紙束(米国債)を持っている日本人よりも、借金だらけの米国人のほうが豊かな暮らしをしているのであった。
それが、我が国がもっとも貿易黒字を稼いだ時代の姿であった。

今や、我が国の製造業は海外移転で斜陽を迎えており、国民は貿易赤字を憂慮している。
今、紙束をつかまされているのは支那である。

モノづくりから撤退し、リストラで利益を出す日本メーカーの経営を、泉下に行った山本さんはどう考えていたのだろうかなあ。

心からご逝去を悼みます。