あれから5年が経ちました。
あのとき、テレビはずーっと「ぽぽぽぽーん」でした。
そして、私は、職を失って路頭に迷い、やむなく、一人で商売を始めた頃でした。どうしようかと悩んでいるとき、地震がドンっ、と来ました。ですので、ちょうど自宅におったわけです。仕事場がなかったから。
そして、私は、職を失って路頭に迷い、やむなく、一人で商売を始めた頃でした。どうしようかと悩んでいるとき、地震がドンっ、と来ました。ですので、ちょうど自宅におったわけです。仕事場がなかったから。
不安ばかりでしたが、周囲がみんな不安だったので、なんとか立ち向かってゆけたと思います。この世は、ついに不安で心細いもの、それが実相なのだと、深く思うようになりました。
多くの犠牲になられた方々のことを思うと、心がとても痛みます。
あれから毎年、天皇陛下が、犠牲者、被災者に心を寄せて、寄り添っていきたいとお話をされます。本当にそうだなあ、と思いながら、何もできない私も、陛下のお言葉によって少し慰められます。有り難く思っています。
あの「ぽぽぽぽーん」の日々で、テレビはなくても良いものだと知りました。
それまで、毎日、眠りに入るまで、布団の中から深夜テレビを眺めているような生活でしたが、それも終わりました。
それまで、毎日、眠りに入るまで、布団の中から深夜テレビを眺めているような生活でしたが、それも終わりました。
今でも、震災というと、あの「ぽぽぽぽーん」と、なんとも言えず不安な気持ちだった日々を、思い出すんです。
今でも避難生活を送られている方々が、少しでも安らかな日々を取り戻せますように、心からお祈りいたします。