Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

AIMに期待

昨日は、猫のアンくんの訃報を記事にしたが、彼の命を奪ったのは腎臓病であった。

実は、猫の腎臓病は宿痾で、すべての猫が長生きすると腎臓病になる。理由については、長年の研究によりAIMというたんぱく質がうまく働かないことだと分かっている。

 

腎臓も働いていると損傷を受けるわけだが、その損傷は普通は自然治癒されるわけである。ところが、猫に限って腎臓の自然治癒がない。実は、これはAIMというたんぱく質が先天的にうまく働かないという猫の特質による。AIMは、損傷した箇所にくっつくたんぱく質で、これを目印にして抗体が働いて損傷個所を修復する。ところが、猫はAIMがうまく働かないので、異常個所を見つけることができないのである。結果として、長年の障害が積み重なることで、しまいには必ず腎臓病になってしまう。

 

これを、東大のある先生が、人工的にAIMを与えることで解決しようとして研究されている。クラウドファンディングをしたところ、全国の愛猫家から多額の寄付があったので、今では東大を退官して研究所を設立されているようだ。

実は、この手の話は古いものでなくて、たびたび「画期的」というフレーズとともに登場し、その都度失望、、、という顛末があったのを獣医師なら、だれでも知っている。だから、今回も「またか」と思った、、、というので、素人はともかくプロは眉唾で見ていたというところであったらしい。

 

が、今のところ、臨床でも効果をあげつつある、、、ような感じ?と報告されている。がぜん、期待が高まるわけだ。

もちろん、実用化が成功すれば、猫の寿命が今の倍になる!

 

が、さらに面白いことがわかってきたのが、なんと、このAIMは、どうも人間にも効くらしいのである。人間のAIMはもとから働くものなのだが、いわゆる腎臓病で人工透析を受けているような人は、このAIMがうまく働かなくなっているようなのだ。で、それを人工的に外から投与してやると、、、うまくいけば、人工透析が不要になる!というわけである。

あの人工透析にかかる莫大な費用と負担はたいへんなもので、海外に行ってまで腎臓移植手術を受けようとする人も少なくないらしい。それらの問題が、もしも注射で解決するとしたら、、、もはやノーベル賞ものの大発明というわけだ。

 

近年に珍しく夢のある話だと思っている。猫用のAIMの実用化は、もっとも順調にいけば2年後だということだ。それまで、私はなんとしても愛猫を生かしてやりたいと考えているのである。