Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

この世界から猫が消えたなら


ま、愛猫家としては、一応、ブームも終わったし読んでおくべきかな、ということで(笑)

主人公は30歳の郵便配達員の男性。
風邪かと思って医者に行ったらガン、余命幾ばくもないでしょうとご託宣を受ける。
落ち込んでいるところに悪魔がやってきて、何か一つをこの世界からなくす代わりに1日命を延ばす、という取引が始まる。
まず電話。
それから映画。
それから時計。
そして、、、猫。

しかし猫は消えなかった、という話である。


え?!それだけ?!
うーん、そうなんですよ。
評価は、おまけにして☆くらい、ですかねえ。

でもねえ。
この小説にハマる人は、いると思いますね。
喪失というのは、もちろん本書にあるような、大切な人、親、あるいは家族(もちろん猫は家族!)に限られるものじゃありません。
はっきり言えば、過ぎ去った過去は皆「喪失」なんです。
どんなに苦しかったときも、楽しかったときも、夢中だったときも、ぼうっとしていたときも、すべて過去になってしまえば、もう存在しないわけです。
そう考えると、平凡な一瞬なんて、実はないんですね。
愛情は作り上げていくもので、毎日の積み重ねが、すべてかけがえがない。
そこに気づいて、自分の過去に向き合った人は、この小説に涙すると思います。

手っ取り早く言ってしまえば、小説が愛しいのではなくて、自分の失った過去が愛しいのです。

ただ、その手の小説の中では、自分の好み的にいえば「リプレイ」とか「椿山課長の七日間」とかのほうが、デキはいいかな。
この小説は、小説ぽくなくて、2時間ドラマのシナリオみたいな感じですね。

で、結論としていえば、やっぱり猫は可愛いということで(笑)
今は換毛期ですので、今日はたっぷりとブラシをかけてあげますかね。
うちの猫は、ブラシをかけてもらうと、すごく嬉しそうな顔をするんですよ。猫なのに、ねえ(笑)