Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

つらつら陰謀論

最近、ネット上で主に右寄りの方々の主張で目立つのが
グローバリズムマルクス主義者の陰謀」
というものです。
ついでにいえば、マルクスユダヤ人でしたので
グローバリズムユダヤの陰謀」
ということになります。

まあ、金融の世界でユダヤ人が一大勢力であるのは間違いありません。
もっとも、そうなったのは、ヨーロッパの歴史の中でユダヤ人が差別されていて、土地の私有を禁じられていたことと関係があるんですがね。
大英帝国の紳士といえば「エンクロージャー」農場主である、というのが常識だったわけです。
つい100年前までそうですよ。シャーロック・ホームズを読むと、お金持ちの紳士がほぼ全員、農場主でしょう?
しかし、ユダヤ人は農場主になれませんね。土地を私有できないので。
不動産がだめなら動産に行くしかないわけで、株式や債権を扱う金融に彼らが集中していったのは理の当然ですわな。
もしもユダヤ人の金融勢力を非難するなら、そもそも彼らに土地の私有を禁じたローマ帝国あたりが「陰謀の総元締め」と言う理屈になりはしませんかね?(苦笑)
言うまでもないですが、欧州国家は、基本的にローマ帝国の属州が独立して成立したわけですからね。
法体系もローマ法を継受しているわけですが(法史学の常識)差別も継受したわけであります。

閑話休題
グローバリズムマルクス主義の関係に話を戻すと。
工場が、安い賃金を求めて移転することはよくあります。都市部から地方都市へ、とかですね。
国内移転の場合、あまり非難を受けません。
それは、つまりは富の再分配が行われると認識しているためでしょう。
地方都市が豊かになれば、都市部の人間にも税の流出が減るし、都市の生産物が高価で売れたり、地方の教育レベルが向上して優秀な人材が供給されるなどメリットがあります。
一方、国外移転しますと、こういうメリットは、あまり期待できないですね。
国家間の格差を正すような世界政府もないですし、仕事を失った人は窮乏化しますので、格差拡大するからです。
これがグローバリズムが非難される所以でしょう。

つまり、グローバリズムを避難する人にとっては「富の再配分がきちんと行われるのが望ましい、そうでないグローバリズムはけしからん」という理屈でなければ、スジが通らんではないですか。
では「富の再配分」を重視する政治思想はなんでしょう?
はい、マルクス主義ですね(爆)
つまり「グローバリズム市場原理主義」「反グローバリズムマルクス主義もしくは社会主義」ということになります。
というか、まあ、これ常識だと思いますが。
ところが、グローバリズムマルクス主義だと大真面目に論じている人が結構いて、、、なんというか、どう反応していいやら、まったくわからんワケです。
どうやら、マルクス主義が国境がなくなった世界を予言しているのが元ネタらしいですが。
マルクス主義と資本主義の違いに「経済政策」以外の視点を持ち込むスーパーロジックは、一体どこから湧いてきたのか、ちょっと想像をたくましくするとワクワクしますな(^_^


ソ連が崩壊したときにその後の状況の報道で
「保守派=社会主義に復古する勢力 革新派=自由主義経済を推進する勢力」
ということになり、思わず「どっちが右で左なんだ?!」
と混乱したことを思い出すわけでありますねえ(苦笑)