Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄

「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」ヘンリー・S・ストークス。

ファイナンシャル・タイムズの元日本支局長で三島由紀夫や中曽根大勲位とも親交があった知日派のストークス氏による著書。
大東亜戦争に対する自虐史観はやめよう、と呼びかける。
英国人による憂国の書である。

 

色々と読みどころはあるのだが、白眉は三島由紀夫について書かれた一章であろう。
ドナルド・キーンは三島が「ノーベル文学賞をとれなかったから」自殺した、という見解だが、ストークス氏はこれを否定している。
三島が死の直前にストークス氏に出した手紙を初めて公開しているので、この説の信憑性は強いと思う。
三島の自決は、かなり以前から計画されたものだったのである。

 

内容については、昨今、ようやく日本人にも広く知られるようになってきた言説なので、ここで再録するのは控えよう。
ようは「米英が正義ではない、日本はアジアのために立ち上がったのであり、大東亜戦争自衛戦争であった」ということなのである。
もちろん、南京大虐殺や(ティンパーリは蒋介石からカネを貰っている情宣活動、つまりスパイだった。証拠も発見されている)し、慰安婦はごくありふれたビジネスであって、強制連行(吉田清司の創作)などなかった。
だから、日本人よ、いい加減に自虐史観をやめよう、と呼びかけるのである。
ありがたい話である。


評価は☆。
素直にご好意を受け取っておこう。

 

ただし、残念ながら、本書にもあるように、南京大虐殺を否定したり自衛戦争を主張しようものなら「歴史修正主義者(ネトウヨですな)」の烙印を押されるのも、また現実である。
欧米では、第二次大戦の日本というのは「ナチスドイツと組んで戦争を起こした」という見方がメインである。
もしも「アジアの独立」を掲げていたのなら、なんでナチスと組むのだ?ということで、相手にされないのである。
思うに、昭和天皇の冨田メモは事実であろう。「白鳥が、、、」は、昭和天皇の無念のお声だったと思う。
アジアの独立のため、という大義名分が通用しないのは、ひとえに、あのナチスの片棒というレッテルによるのだから。
大東亜共栄圏を掲げて戦うのは良かったが、それなら、なぜ日本はひとりで立ち上がらなかったのか。
結局、ヒトラーの一味という話になって、それ以上の理解がされない。
実際、日本はナチスが勝つと見て、そのときにはこちらも勝ちという戦略で開戦に及んだのである。
開戦当時の日本に、ナチスドイツの勝ち以外に勝算はない。勝負を他人任せにして、あげくに汚名を被った。
やはり得策ではなかった。

 

ところで、アメリカ大統領選挙はトランプの再選がなるかどうかが争点だが、トランプは一国利益主義である。
かつてのアメリカのモンロー主義と重なる。
自国が第一、他国のことよりも自国の利益を計るべきだというわけである。
今はやりのグローバリズムとは対極の思想のようで、実際にトランプは反グローバリズム(反ユダ金)だという見方がある。
しかし、実際にはトランプは親ユダヤであることは、言うまでもない。
一国利益主義から考えれば、かつての日本のように、他国の独立のために血を流すなどは、大いに馬鹿馬鹿しいことである。アジアが独立するのに、日本人がどんどん死んでは話にならない。
で、アジアが独立すると、当然それらの国は独立国として貿易を開始し、海外から工場を誘致して技術を習得し、どんどん輸出をする。
ベトナムしかり、マレーシアしかり、インドネシアしかり。
結果から見ると、大日本帝国グローバリズムの勃興に大いに助力したのだ、ということになろう。
つまりは、ロスチャイルドさんも大喜び、良くやったと思っているはずだなあ。

 

何が言いたいかというと。
歴史というのは、何かバイアスがかかると、とことん歪んだ解釈をしてしまうだろうと言うことだ(苦笑)。
歴史の解釈自体が、アテにならんシロモノだろうと思う次第なのであります。

歴史に解釈を持ち込んだのはマルクス主義史観だろうと思うのですが、いいかげんに「史観」なるものの(=イデオロギー)の呪縛が解けてもいい頃じゃないかな、人類は、、、などと思ったりもする。