Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

ナニがなにやら

今回のルノーグループ会長ゴーン氏の逮捕のことですが。
漏れ聞こえてくる情報だけで、ハッキリとしませんが、正直「こんなので起訴できるんかなあ?」というのが正直な感想ですね。

逮捕容疑の金証法違反ですけれども。
最初は所得隠し80億円、すわ所得税法違反もつくか?!と思ったのですが、その後の報道では退職後の報酬のようです。つまり、現金をもらったわけでない。
そうなると、所得税法は論外として、金証法の開示義務違反となる。しかし、開示義務があるのはゴーン会長というよりも日産(財務担当取締役)になりますし、監査役とか監査法人の責任ということになります。
監査法人が監査して、ゴーン会長の使用していた不動産などについて、指摘事項にあがっているのですが、財務諸表には適正意見をつけています。
つまり「好ましくはないので注意しときますけど、しかし不適切ではないですよ」という見解だったわけですね。
ゴーン会長側は、監査法人に指摘されていたので対処をするところだった、しかし不適正ではないので違法性はないと認識した、というでしょう。それが制度ですもん。

そもそも有報の開示義務は、退職金であれば取締役会にかけて決議し、決議をもって株主総会に諮って賛成を得て開示です。役員会の議事録がどうなっているか不明ですけど、そもそも役員会にかかってもいなければ、そりゃ単なる「検討段階」であって、確定してないわけでしょう。確定しないものを有報に載せるわけがない。
とすると、検察のいう「開示義務違反」とは、いったいナニを指しておるのか?
甚だ疑問なわけです。

海外子会社によるゴーン会長の邸宅の取得などもそうですが、どうも一部報道によると、子会社といいつつ傍系子会社らしい。とすると、そもそも連結対象からはずしてあるのじゃないかな。海外では、ノニミー契約やら優先株の発行やらの手を使って、本体の出資比率を下げ、さらにその子会社が出資する孫会社をつくって同様の手を使って本体から見た場合の持株比率を15%以下に抑える位のテクニックは当たり前。
子会社とはいっても連結対象でないのなら、開示義務もありません。
もちろん、これらの会社はペーパーカンパニーなわけですが、会社に実体基準があるかないか、そもそも他国の主権下の話で、調べるのも困難でしょう。タックスヘイブンにしても、あるいはゴーン会長よりの立場をとるレバノンやブラジルが、そんな調査に協力しますかね?

今のところ、なんとなく「やっちゃった検察」感が拭えないです。
まさか、日産社内の噂話を真に受けて、社内抗争のお先棒を担がされた、なんていう結末じゃなければいいんですがね。

日本の検察制度は、先進諸国の中ではもっともオクレテイルと言われています。まずは挨拶代わりの20日間勾留、それでも自白しなければ再逮捕を繰り返す人質司法と言われていますからね。
あの籠池理事長夫妻で200日オーバーですもん。認めなきゃ、勾留が続くんですよ。
ついでに否認を続けると、裁判で「反省していない」というので執行猶予なしで実刑判決くらいます。
被告人が戦うのは当然なんですが、戦うと「お上に逆らう不届き者」なんですよ(苦笑)。

この司法制度は、GHQが日本を占領したときに変えさせようとしたのですが、猛烈に日本側が抵抗して変えさせなかったというシロモノです。(ついでにいえば、憲法は唯々諾々と変えましたけど。笑)
まあ、つい数年前まで明治以来の監獄法を運用していた我が国ですので、検察制度が戦前そのままなのも、ある意味当然かな、と。
それが国際メディアに初めて取り上げられるわけですので、制度改革のきっかけになるかもしれません。

結末がどうなるか、まったく分かりませんけれども、どうも、キレイに終わるようにはみえないなあ、と思うこの頃です。