腰の痛みが少し緩和したところで、また医者の診察を受ける。
地元では「腰痛の名医」と名高い老医師は、私をつま先立ちさせたり、片足立ちさせたり、寝かせて押したりして慎重に診察を行い、やがて託宣。
「うむ、ぎっくり腰ですな」
ああ、よかった。椎間板をやられていたら、大変だと思っていたのである。
「後遺症は残らんでしょう。痛みがひくまで、2から3週間ですな」
名医の診断は誤らないだろう。
ありがたく、診察を終えて、湿布と鎮痛薬を受け取る。
この医者は、珍しいことに今でも院内処方。会計のとき、その場で薬を貰える。
これで千円ちょっと。なんと、安いことか!
文字通り「下町の赤髭先生」である。
治療室で雑談を聞いていたら、わざわざ電車で通っている患者も少なくないようだ。
うまく予約をやりくりしていて、混雑もしない。
老医師が今後も長くご活躍されることを祈った次第。
ここらあたりには、まだまだ、こんな医者があるんですなあ。