今年はコロナにかかられて心配されたこともあったが、見事に回復され、強靭な体力と精神力をみせておられただけに残念である。
ただちにチャールズ皇太子が即位され、チャールズ3世になられる由。
国家も、あの馴染み深い「GOD SAVE THE QUEEN」が「KING」に変更になるそうだ。
これで、大英帝国を「女王陛下の国」と呼べなくなるのは、とても残念である。
考えてみれば在位70年ということは、あの戦後、海外植民地を失ったときに即位されたわけで、いわば「右肩下がり」の国の元首を努めねばならなかった。
国が貧乏になれば文化も失われるのが道理なので、英国は紳士たちの文化を失う一方で外国人の移民を大量に受け入れて労働力を確保せざるを得なくなった。
途中でサッチャーが出て改革に成功したように見えるが、実は北海油田が発見されたことの影響のほうが大だったし(事実、石油の自給率が100%になった)その北海油田が枯れ始めると、再び英国経済も傾いていく。
結局、シティによって金融都市として再生をするのだけど、これはEUとの通貨統合との折り合いは悪く、英ポンドはユーロに統合せず、結局は離脱の道を選ぶことになった。
老大国がいかにして生き延びるかという苦難の歴史そのものを体験してこられたわけで、その心痛はさぞやと思われる。
それでも、つねに女王はにこやかで、ユーモアを忘れず、苦難のときには英国民を力づけた。
まさに、偉大な女王と呼ばれるにふさわしい方であると想う。
下手に栄光の時代に君臨するよりも、よほど困難な時代に国民に寄り添うことのほうが難しいと思うからである。
心から女王陛下の御霊が安らかであられるようにお祈りします。