漫画家の松本零士先生が亡くなった。85歳であったそうだ。
松本零士といえば「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」「キャプテン・ハーロック」ということになるのだろうと思うけど、自分としては「男おいどん」が懐かしい。
私が読んだのは、単行本が出てからずいぶん経っており、高校時代に愛読していた。
あの頃、地方から上京するというのは、男おいどん的な「一旗揚げて」みたいな悲壮感があったと思う。
まあ、実際に上京してみたら、世の中は80年代バブルに向かっており、軽くてオシャレになっていた、、、おかげで全く時代についていけずに、神田の古書店街と秋葉原の電気街ばかりを彷徨っていたわけだけど。。。
今や、神田の古書店は激減しており、電気街も消え去ろうとしている。
当たり前だけど、こうして、自分が青春時代に好きだった作家や歌手らが次々と亡くなっていく。時の流れは、止めることができない。
最近の小説や漫画、アニメが面白くないとは全然思わない。「昔はよかった、だけど」とは全然思わない!それどころか、日本のコンテンツは、今や歴史的なレベルで芳醇な実りを見せてきていると思う。ほんとに世界史上に残るのじゃないかと。
松本先生の漫画を読んで育った世代がコンテンツを作り、それを見て育った世代が、さらに新しいコンテンツをつくる。
その実りの豊かさに、目がくらむ思いがしているのだ。
自分がお世話になった作家さんたちが亡くなるということは、自分の番が近づいているということだ。私もいつか、退場のときを迎える。
しかし、松本零士の大山昇太や沖田艦長やメーテルを見て育った世代、さらにそのあとのエヴァンゲリオンを見て育った世代が作り出すコンテンツたちのなんと魅力的で芳しいことか。
もう少し、私は時間が欲しいと思ってしまう。もっと味わいたい、もう少しと思う。
いつまでそう思うのか、それはわからないけれども。