Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

夢を実現したは良いが、、、

昨日は知人と蕎麦屋酒。

その知人は、40代にして創業した会社を見事に売却し、カネに困らなくなって全国を旅行三昧。世界一周も企画したもののコロナで動けなくなってしまい、ならばと若い頃から夢だったカフェを開店。

ど素人が喫茶店など開いても普通は玉砕なのであるが、何をやってもデキる知人の店はたちまち評判になり、おかげで疲労困憊していたのが先月のことである。

 

で、昨日会って話したら、3月からは週休3日制にするとのこと。前代未聞だ!

聞けば、実は今月は週休2日にしたそうだ。

ところが、である。

その休みのうち、1日は確実に仕込みで潰れてしまう。何しろ人気店なので、朝から客が詰めかけている。とても間に合わないので、休日も仕込みをせざるを得ないのだ。

で、残った1日を、ようやく医者だの役所だの自分の買い物だのに使う。昨年は週休1日だったので、歯医者にも行けず、悪化させてしまったとのこと。

週休3日制にすれば、実質やっと1日休めるのだ、と。

 

本来は、喫茶店のマスターで、のんびりゆうゆう自適のはずだったのだ。

なんというか「定年後は、のんびりと喫茶店のマスターでもやって、ゆったり過ごす」というのは一つの男の夢だ。彼は夢を実現したのである。

そのはずだったが、、、店は大流行。おかげで目の回る忙しさに追い回され、ワンオペで回す店は朝から客が行列する。平日でも3.5から4回転するというので、もう定食屋か?というレベルである。土日は6回転を超えるので奥さんが手伝いにくるというが、もはや地獄であるとのこと。

そうかといって、今さら大箱の店にしてバイトを使い倒すとか、、、そんなもの、やりたくないから会社売却してカフェを開いたわけじゃん、、、という堂々巡りになる。

 

普通であれば、ようよう店を開店したものの、閑古鳥が鳴いて困るというのが世の実態である。しかし、この知人は違うのだ。はっきり言って、ナニをやってもデキる。優秀なのである。ツキも持っている。

しかし、成功して「もう充分」と思っても、その成功自体に追い立てられてしまうのだ。

稀有であるが、世の中にはこんな人物もいるのである。こちらのように、思うに任せないことばかりでため息をついているやつとは次元が違うのだ。

 

「もう、テキトーにやるしかないのでは?」

というと

「そうなんだけど、そうするぐらいだったら閉めるよ」

とのこと。まあ、成功する人の思考であろうなあ。

 

、、、そんな愚痴を聞いて思ったのだが、なんというか、その、共感はできかねるのは仕方がないと思う(笑)うまくいきすぎて困るようなことは、私の人生にはない。(ほぼ、、、)

それでも、どんな状況であれ、人間に悩みは尽きないのだということは理解した。

つまり「オレはオレの小さい悩みを悩んでいるのがオレらしい」ということであるな。。。

悩みのレベルで、オノレの器を知らされた夜。。。残念である。。。