昨夜は、人気カフェのオーナー兼マスターの知人と新宿でビールを飲んだ。
そうしたら、今月一杯で店はいったん休業にするという。
理由を聞いたら、身体が保たない、とのこと。
思わず、頷いた。実は新宿駅を階段を上がるときに、息を切らしている彼の様子を見たからである。私よりも10歳も年下なのに、歩き方が老人なのだ。
彼は、10年前はマラソンが趣味で、東京マラソンにもエントリーしてフルマラソンを走っていたほどのスポーツマンだった。たかが齢50、まだ過去の筋肉の「貯金」があるから平気だとおもっていたら、そうではないという。
カフェのオーナーというのは、忙しく手を動かしているけど、歩行距離はない。その生活を2年間やったら、たちまち息が切れるようになってしまったのだそうだ。
普通のビジネスマンでも、往復の通勤に加えて社内で会議だの打ち合わせだのと動いているが、カフェではそれがない。その差が歴然だと言うのである。
言うまでもないが、カフェというのは儲かる商売ではない。知人の店は、あっという間に人気店になって、行列ができるくらいなのだが、一杯500円の珈琲を売る商売では、少々繁盛したって儲かるわけがない。
しかし、知人は会社を売却してすでに一生の資金はあるし、珈琲も好きだったのでカフェを開店したわけだ。もともと、趣味が半分なのである。
しかし、このままでは、その趣味のために寿命を削ることになりそうだ。それはさすがに嫌なので、いったん休んで再検討するという。
もちろん、一番の目標は体力づくりをする時間を作って、身体をなんとかもとに近づけることである。
知人はしみじみと言った。「結局、最後は身体が資本なんですよ。それがだめだと、何をしてもねえ」
うーん、まったくその通りだなあと思う。
身体が元気であれば、長く働けるし、もちろん楽しむこともできる。私なんかは健康寿命という奴が気になる年齢になってきたけど、幸い、もともと丈夫なのか、あまり体力の低下を感じないで済んでいる。まあ、自転車通勤のおかげも大きいだろうと思う。
これからも、この仕事が続く限り、自転車通勤も続けようと考えたことであった。
毎日片道12km、往復24km。これが私の資本になっているというわけなんだなあ。