昨夜のことである。
先日、サーバー搬出を手伝ってくれた友人に約束通り一杯奢ることにして、職場の近くの焼鳥屋へ。深川あたりの古い店は、旨くて安くて雰囲気があって最高なのだ。
で、店内には当然のようにテレビがついている。店の中にテレビ、これが理容店ならAMラジオだ。このあたりの店じゃあ、当然の顧客サービスなのだ。
そしたら、テレビで、おそろしげな事件を中継している。長野で男が立てこもり、猟銃を発砲しているらしい。すでに、警官2名が殉死しており、他にも被害者がいると。
場所柄か、私の年代か、あの「あさま山荘事件」を彷彿とした。
犯人は、やがて確保されたようである。詳しい動機は、今後の報道で明らかになるであろうと思う。
しかし、思うのだ。この犯人、よく射殺されなかったなあ、と。
これが他国なら、間違いなく射殺されている。警官を殺した銃撃犯が、生きて確保されるケースはほぼないであろうと。
よく死刑廃止が論議になるが、死刑廃止派の主張にも一理はあると私は思っている。しかし、死刑廃止国であればあるほど、実は現行犯の射殺が増えるのだ。これは、実は明らかなのである。
裁判にかけられても死刑がない国では、警官は凶悪犯の射殺をためらわない。
日本は、死刑があるから、警官は危険を冒して犯人を生きたまま確保しようとする。そうすると、殉死者が出たりする。
現実論として、どちらが人道的なのか、これは考えるべきところではあろうと思う。
私は、かつては死刑残置派であったが、最近では、どちらの議論もそれなりに根拠がある話で、一概に結論は出しにくいと思うようになった。
年をとると頑固になるものだとよく言われるが、私の場合、ますます歯切れが悪くなっていく一方だ。迷妄の夜だった。